富士見書房 ワイルド・コミックス 横溝正史シリーズ2 犬神家の一族

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昭和51年10月10日初版発行
発行/(株)富士見書房

角川書店傘下の富士見書房より刊行された、つのだじろう版の『犬神家の一族』。
第一弾『八つ墓村』は比較的原作に忠実で、つのだ色は弱目でしたが、この『犬神家の一族』では独自色を強めてきて、“仮面の男”佐清のビジュアルからしてオリジナリティたっぷりです。映画やドラマなどで見慣れたゴムマスク仕様ではなく、何て言うでしょうか、通気孔の無い、昔のホッケーマスクのような仮面を着けているんですね。
しかも、つのだ氏のオリジナリティはこれだけにとどまらず、犬神家を「古くから犬神を信仰し、妖しげな儀式を行う“犬神族”の末裔」として設定し、ストーリーに独自のオカルト趣味を加えています。物語の中盤までは原作同様、莫大な遺産を巡る血みどろの争いがメインなのですが、やがてこの犬神族の因習を巡るドラマが超展開を見せ始め、物語のクライマックスとなる犬神族の世襲の儀式では、なんと生贄の犬の首を斬り落とす場面まで描かれています。私は最初この場面を読んだ時、「これじゃ犬神は犬神でも『犬神の悪霊(たたり)』だよ!」と思ってしまいました(笑)

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