Wiaximaminashi Museum

今まで貝殻にあまり興味の無かった方、詳しくない方でも「これは綺麗/かっこいい！」と思えるような種をピックアップしました。

タカラガイでは、世界5名宝・日本5名宝といった、コレクターのステータスになっている種が選ばれていますが、イモガイでは特に決まっていないので、独断と偏見で選んでみたいと思います(笑)。名芋じゃなんかなぁ…という感じなんで、英語のCone Shellから「名錐」なんてしてみました。
…とは言いますが、実際のところは、イモガイの展示が多くなってきたため、私の特にお気に入りなものがが埋もれてしまいそうなので、別枠展示をしようと思ったものです。どの子も見れば見るほど神秘的に感じられると思います。

まさに「博物館クラス」というような希少種や、ほとんど出回らない種たちを集めました。
何で持ってるかというと、まあ運よく手に入ったといったところでしょうか…

　いわゆる「アワビ」「トコブシ」の仲間です。トコブシはトコブシという種がいるのですが、ずばり「アワビ」という和名の種はなく、「〜アワビ」という種が数十種、日本には数種類記載されています。　
　Haliotis属のみの一科一属扱いとすることが多いです。ほとんどが浅海棲で、食用になります。といっても消費の大半は東アジアなので、日本には世界中から多種多様なアワビが輸入されてきます。また、美しい真珠層があるため、殻は装飾品関係にも利用されています(この場合は英語名から「アバロンシェル」などと呼ばれます)。

近年かなり細分化された科です。
サザエやオキナエビスを除く古腹足類はだいたいがこの科に入れられていたため、たしかに雑多な分類群ではあったのですが、細かい種が多かったり、それぞれのグループの中間的な種がいたりと、なかなか安定しそうにありません。
蓋は多旋のキチン質で、殻口内は真珠層が見られます。水管溝がないため、殻全体はだいたい(イモガイ類が逆円錐形なのに対し)正円錐形になります。

言わずともがな、日本では一番人気ですね。
かなり高価な種も多く流通しています。私はタカラガイ党じゃないのであまり持っていませんが…

タカラガイに近い仲間ですが、形はやや変異があります。基本的に唇歯は不明瞭で、内唇には普通はありません。殻の模様は単純。
ソフトコーラルなどに寄生しているため、擬態のためか軟体の模様は華やかなものが多く、ダイバーにも人気があります。

名前の通り、玉のような可愛らしい殻の持っていますが、二枚貝などを襲う肉食性。軟体が大きく、生時には殻を半分以上覆うことも。水管溝はなく、蓋は角質のものと石灰質のものとどちらもあります。
世界中に結構な種が生息し、美しい模様を持つものも多いです。

フジツガイ超科のフロアを分割することにしました。
タマゴボラ科は種数が少ないことと、トウカムリ科に含むことも多いのでとりあえずこちらにまとめています。
フジツガイ超科の貝は揃って棘皮動物を餌にしますが、トウカムリ類は特にウニを捕食します。
トウカムリ類では水管溝は短く、後ろに反り上がりますが、タマゴボラ類では前に比較的まっすぐに伸びるほか、蓋の核の位置も異なります。

フジツガイ超科の展示を分割しました。
以下、フジツガイ超科の説明です。
肉食で、棘皮動物を襲うものがほとんどです。

以下の科がこの超科に含まれます。
トウカムリ科
タマゴボラ科
ヤツシロガイ科
ビワガイ科
フジツガイ科
オキニシ科
ただし、タマゴボラ科はトウカムリ科に含む場合や、独立して扱っていてもトウカムリ科との区別は研究者によって異なるため、カテゴリー分けは個人研究によるものを用いています。

フジツガイ科の貝は、前端に水管溝が発達し、120〜180度おきに縦張肋の出るものも多いです。ホラガイに代表されるように、ヒトデの仲間を好んで餌とします。
イボボラ類は近年はイボボラ科として独立させる傾向があるようなので、タイトルは２つ併記しています。

フジツガイ超科の一群で、ミヤコボラ、オキニシ、ナルトボラ類などが含まれます。フジツガイ科に似ますが、殻口後端に溝が開くのが特徴です。軸唇には襞が出るものが多いです。
オキニシやミヤコボラの仲間は縦張肋が約180°おき、ナルトボラ類では約270°おきに出ます。

肉食性で、二枚貝などを襲う。現在の分類では、巻貝類で最も種数の多いファミリー。形や色、生息場所などはかなり多様。

肉食性。和名の通り、細い色帯や螺肋を持つものが多いです。水管溝は基本的に長く、初期殻は共通して強いコブ列があります。蓋は厚め。軟体は赤いものが多いです。
大型種が多く、世界で二番めに大きい巻貝「ダイオウイトマキボラ」もここに含まれます。近年、エゾバイ科のイトマキボラ亜科として扱うことも多いです。

テングニシ類やカンムリボラなどが含まれます。コブシボラ系はコブシボラ科として分けることもあるようです。

種数はさほど多くないですが、ほとんどが中〜大型種です。

名前の通り、筆の先のような形です。軸唇に普通は襞を持ちます。
熱帯の浅海に多くの派手な種がいます。肉食性で、普段は砂に潜っていることが多いです。大型のものだとチョウセンフデなどは15cmを超え、小型種は成貝でも1cmに満ちません。たいていの種は2〜5cmくらいです。フデガイ科は深海からも多くの種が見つかっています。
フデガイ科とツクシガイ科は以前は同一の科とされていました。ツクシガイ科の貝は強い縦肋を持つ傾向があります。オトメフデ系はツクシガイ科なので注意。
ツクシガイ科はミノムシガイ科ということもあります。

肉食性。軟体部が大きく、滑層が発達するのが特徴です。
以前はすべてマクラガイ科としていましたが、近年は幾つかの科に細分化するのが一般的なようです。
模様が綺麗で大型種も多く、海外では専門の蒐集家も結構いるそうです。しかし、似たような種が多いため分類が混乱している系統もいくつかあります。

マクラガイ科
所謂マクラガイの仲間で、縫合付近の滑層の溝が特徴的です。浅海のものがほとんどです。

リュウグウボタル科
ホタルガイ類も一緒にして「ホタルガイ科」としているあります。
リュウグウボタル類は、縫合の滑層に溝はなく、殻口を塞げるような大きな蓋を持つものが多いです。また、螺塔と前端以外では仮想が発達せず、概形としては殻口はマクラガイ科より大きく、螺塔は高いです。大型種は深場に棲むものが多いです。

マクラガイモドキ科
日本近海には生息しておらず、少産種や深海種がほとんどなので、国内ではあまり認知されていません。リュウグウボタルに似た系統と、エゾバイ系のような普通の巻貝ににたものとがいます。

ソデマクラ科
これも国内での認知度は低めで、マクラガイ科に含めていることが多いですが、海外ではよく別科として扱われています。実際、滑層や螺塔に面影はあるものの、形は他のマクラガイ類とは大きく異なり、蕪に似た形状で水管溝が伸びています。

大型で美しい種がほとんどで、コレクターにはかなり人気。特に西洋で人気のため、逆に日本に入って来づらい種も多いです。多くは熱帯太平洋に分布します。胎殻(=プロトコンク。卵から孵るときに備わっている殻)が大きい種が多く、分布は局所的になりがちです。
日本に分布する種のほとんどはヒタチオビの仲間です。逆に、これらの中には日本近海特産のものも少なくありません。そのため、通常ガクフボラ科と言いますが、日本ではヒタチオビ科と書いている本も多いです。

種数は多いですが、似たようなものや小型のものがほとんどなので、流通するものはだいたい決まった種類です。派手な模様のものはあまりないですが、彫刻が面白い種は多いです。

個人的に一番好きな貝類です。
毒針で獲物を射て丸呑みにする生態は有名ですが、貝殻の模様の美しさや多様性も貝類の中で抜きん出ています。
国内ではタカラガイの方が人気だと思いますが、海外ではかなりの人気があります。

以前、クダマキガイ科は種数の上で巻貝中最大でしたが、最近の研究で複数の科に分けられました。要するにイモガイ上科のうちでイモガイ科・シチクガイ科以外のものをクダマキガイ科に入れていたわけですが、前2郡ほどはっきりした見た目の特徴がないため、ここではまとめて扱います。

オオイトカケに代表されるように、非常に特徴的で美しい造形で有名な仲間です。
ただし種数が多い上に、オオイトカケのサイズでも「大きい」というほど小型種が多く、しかも似たような種が多いため、有名種でなければなかなか同定が難しいところです。

ウミウシ、アメフラシなどの仲間です。実はあれも、ナメクジみたいに殻の退化した貝なんですよね。原始的な種では殻がありますが、それでも普通、中に引っ込んだりなどの役には立たない小さなものです。
近年の分子系統学的な研究では、少なくとも多系統であるとされていますが、まだ流動があるだろうのでとりあえず纏めておきます。

淡水にはタニシなどの巻貝、カラスガイ・シジミなどの二枚貝が棲みます。陸貝は全て腹足類ですが3系統あり、タニシなどの仲間、カタツムリ類と、アマオブネガイに近縁のヤマキサゴ類がいます。

二枚貝の一群です。
アコヤガイ、カキ、ホタテ、ムールガイ、平貝、アカガイなどがここに含まれます。イタヤガイ目はウグイスガイ目に含める場合もあり、この場合は漢字名では「無歯目」とも呼ばれます。

ウグイスガイ目
・ウグイスガイ科…アコヤガイなど
・マクガイ科
・シュモクガイ科
・ハボウキガイ科…タイラギ(平貝)など
・イタボガキ科…牡蠣類
イタヤガイ目
・イタヤガイ科…ホタテなど
・ウミギク科
・ナミマガシワ科
・ネズミノテ科
・マドガイ科
・ミノガイ科…ウコンハネガイなど
・ワタゾコツキヒ科
イガイ(貧歯)目
・イガイ科…ムール貝など
フネガイ(多歯)目
・フネガイ科…アカガイなど
・ヌノメアカガイ科
・タマキガイ科
・シラスナガイ科

翼形類以外の二枚貝です。
アサリ・シジミ・シャコガイ・サクラガイなどが含まれるマルスダレガイ目(異歯目)は二枚貝中最大の分類群。

マルスダレガイ目
・ザルガイ科
(科は順次追加します。)

副業でしたが、そろそろ箱一杯では整理しきれなくなってまいりました。
基本的には原石が好きです。自然にできたとは思えない、美しい形の結晶や煌めきが好きになりました。
フォローして頂いた方の中にも、岩鉱系を集めている方が多いようなので、整理する機に展示室を作ります。

小学生の頃は化石、特にアンモナイトが好きでした。
あまり本格的に収集するようにはなりませんでしたが、それでもちょくちょくは増えています。機会があれば採集にも行ってみたいですね。