黄鉄鉱 (pyrite) 豊栄鉱山 #0378

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豊栄鉱山で硫化鉄鉱として採掘されていた黄鉄鉱です。(1~3枚目は背景をソフトウエア処理しています。)

豊栄鉱山は花崗岩と石灰岩の境界付近にある鉱床で、近世には九折(つづら)鉱山と呼ばれ竹田藩(岡藩)が銅、錫(すず)を採掘していました。近代以後は明治末年に内ノロ坑の亜鉛鉱、大正中期に大名坑の錫鉱、1949年(昭和24年)~1952年(昭和27年)に一号坑の硫化鉄鉱がそれぞれ小規模に稼行されましたが、1956年(昭和31年)に蔵内(くらうち)金属鉱業経営となり、機械選鉱場が設置され、錫、亜鉛、硫化鉄鉱を目的に本格的な開発が行われました。1963年(昭和38年)には粗鉱1,200t/月を採掘して、錫精鉱35t/月、亜鉛精鉱80t/月および硫化鉄鉱を産出し、特に錫は当時の本邦産出量の約1/4を占め、兵庫県の明延鉱山に次ぐ重要鉱山の地位にありましたが、1975年(昭和50年)に閉山しました。

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