山梨県甲府市黒平町 向山鉱山 各種水晶

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向山鉱山は、江戸時代の1826(文政9)年に幕府直轄領の鷹生息保護地で水晶産出が分かった後、江戸時代後期〜開拓された鉱山。

明治時代初頭以降に鉱山として大量に試掘がされ、様々な坑が30坑ほど掘られました。太平洋戦争中には通信器具のパーツ(水晶発振器)として水晶を大量に産出、戦後採掘されなくなったという過去を持ちます。

私の持つ向山鉱山産水晶は、それぞれどこの坑産出かは不明。1〜4枚目は、戦時中に採取されたものが最近になって家屋から見つかったり、放出されたものと推測。5〜7枚目(鋭錐石:アナテース付き水晶と、透明水晶)は平成前期に鉱山入り口付近で拾われたものだそうですが、それ以外情報がありません。

ただ、縦坑をロープを使ってまで採取するのは現在難しい(そもそも現在採取禁止)ので、実際は少なくとも平成より前の産出のものが主でしょう。

向山鉱山の水晶で出回るものは、表面がガサついたものが多いと聞きます。透明度が高いものは戦時中に加工されてしまったから。また、大量に発見された日本式双晶と思しきトッコたちは戦後行方不明。それらから外れ見向きもされなかったような水晶が、時々ミネラルショーで出回るのでしょう。

当博物館では、向山鉱山の水晶の情報提供、標本提供をお待ちしています。
Twitter:@Matsu_Crystal

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