新潟県阿賀市三川綱木 「幻」の紫水晶

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2021年6月頃、ヤフオクにて古老の鉱物愛好家が放出した、幻と言われた綱木の紫水晶になります。紫水晶の日本産大古典産地の一つで、正確な産地点が未だに不明確なものです。

採取者の話によると、三川鉱床とは異なるペグマタイト鉱床由来の紫水晶だそうです。産地は豪雪地帯で崩落しており、消滅したガマの堆積物の中からわずかに拾われたもの10点が、次代の鉱物愛好家へと託された形で放出されました。

無論、全て高額での落札となり、松ちゃんは一番最初のものだけが落札できました。

綱木の歴史は1904年の「日本鉱物誌」に「綱木村の紫水晶」の記載があり、2cmほどのものが採れた、また1916年の同誌には10cmを超える紫水晶の採取の記録がある、というように記録されています。しかし、戦後は上記のように崩落による産地消滅で、採取は極めて難航、拾うだけで精一杯だったようです。

この出品者は無事に産地を特定できたようですが、個人のやり取りで「墓場まで明かさない」旨を直接お聞きしました。

とても美麗な紫をしており、優しい色合いをしています。結晶面があるものは2.5cmほど。小さいものは1.5cmほど。

いずれももう採取は不可能と思われ、ついに完全な「幻」の紫水晶となり、とても貴重な物となりました。

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