龜は萬年 Imperial bonbonier with turtles

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明治天皇銀婚式のボンボニエールは鶴亀をあしらっておりましたが、同じ明治期のボンボニエールで、亀だけ、鶴だけをあしらっている物があります。つがいの亀に小亀が乗っているもの。

こちらの来歴は不明でしたが、学習院の学芸院の方がお調べになって、明治44年10月10日に催された、後の大正天皇妃である貞明皇后が風邪快癒のお祝いの宴で配られた物だそうです。後の昭和天皇も10歳で陪席遊ばされ、メニューはフランス料理が振る舞われました。。どのようなメニューだったのかは気になりますが、残念ながら「天皇の料理人」秋山徳蔵氏のメニュー・コレクションには同日のメニューは残されていませんでした。

同じようなボンボニエールというよりも亀の置物もございます。これは本当に飾りのようなものでして、金平糖を入れる空間も無いのですが、尻尾の裏側に共通宮家紋が入っております。天皇家の際は八重十六弁菊花紋ですが、直系ではない皇族は自家の紋もしくは、十四弁裏菊紋章を使うことになっております。亀の作りからしても、同じ時期に作られたのではないかと推測されます。ちょっとした返礼品であったのか、この親子亀のボンボニエールからインスピレーションを得て何かのお祝いでどこかの宮様が作られたのか、それは不明です…

#ボンボニエール #皇室 #天皇

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