"white” / 井上陽水(紙ジャケCD)

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1977年9月に大麻所持で逮捕された井上陽水が、懲役8か月、執行猶予2年の判決を受け、その執行猶予期間中に出した6枚目のアルバム。
前作からは2年のブランクがあるものの、このスピードで復帰できた当時って凄いなと思いますし、オリコンチャートでも3位を獲得しており、世間の目という観点で行けば今ほど社会的制裁は少なかったようにも思えます。実際、ビートルズをはじめ海外アーティストはドラッグが黙認されていたような時代でしたから、コンプラにうるさい現代なら週刊誌の攻撃も激しく、復帰にはもっと時間がかかりそうです。
大麻に至った経緯はどちらかというと前作「招待状のないショー」の方に影響が出ているように感じ、本作はどちらかというと「その後の陽水」が描かれており、事件を肯定するとも否定するとも取れそうな意味深な歌詞を幾つか見つけることができます。中でも留置場で作った「青い闇の警告」と「ミスコンテスト」の2曲は陽水の隠と陽を垣間見たようで面白い作品です。

ちなみに、逮捕された井上陽水の音楽を援護したのが朝日新聞記者だった筑紫哲也で、当時面識のなかった二人の縁はのちに強く結ばれます。

「青い闇の警告」https://youtu.be/XfQSF-6Yjyg?si=xwgdA3BnHtQbrb6X

「ミスコンテスト」https://youtu.be/mqwdFWC9o8w?si=RF9QNlHY8zFx4ZgX

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