幻の高速偵察機・ジェツト化も計画されていた!! 日本海軍十八試追跡偵察機「試製景」雲略符号は「R2Y」

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胴体中央部に双子型[1]の発動機を配置し、延長軸で機首のプロペラを起動させるというユニークな形態の偵察機だった。1945年(昭和20年)5月2度の試験飛行を行ったが、エンジンの不調等で所定の性能に達しないまま終戦を迎えた。
景雲は当時の戦闘機を凌ぐ高性能を実現するために、様々な新機軸が盛り込まれた機体となった。エンジンは高出力を確保するため、愛知航空機(愛知)製のアツタ三〇型発動機を並列に組み合わせた「ハ70」である。これを胴体中央部に搭載し、4 m超の延長軸で機首の6翅プロペラを起動させる形とした。これは、ドイツから輸入したHe 119高速爆撃機の構造を参考にしていた。また、排気タービン過給器や気密室を完備し、操縦席は並列複座、降着装置は前輪式とした。その結果、おおよそそれまでの日本機とは異なるユニークな外観の機体となった。

全長:13.05 m
全幅:14.00 m
全高:4.24 m
プロペラ:V.D.M.定.6翅
主翼面積:34.00 m2
自重:6,015 kg
全備重量:8,100 kg
発動機:愛知 ハ70-I 液冷倒立V双子型24気筒 離昇3,400 hp × 1基
最大速度:741 km/h
巡航速度:463 km/h
実用上昇限度:11,700 m
航続距離:3,611 km
武装:なし
乗員:2名
略符号:R2Y1

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