日本ボドゲばなし『さるコジ合戦』

昔むかし、陸奥国のある海辺にボドゲに詳しいさると、ある山合にボドゲが好きなコジが住んでおりました。

さるの噂を聞いたコジはボドゲがやりたくてさるに手紙を書きました。

「おらにボドゲを教えてけろ」

さるは快く引き受け、ある日二人は仙台という処で会うことにしました。

「おらが山合のコジだ」

「おらが海辺のさるだ」

初めて会う二人は互いに名乗ると、

「おら朝からなんも食ってねぇ、先ずは昼飯食うベ!」

とコジが言い、

二人は一緒に握り飯を頬張りすっかり打ち解けました。

食い終わるとコジが言いました。

「おらボドゲやりてぇ、ここの仙台フォーラスって処にタンブリングダイスって名前の茶屋があって、そこならやれるって聞いた。おめ知ってっか?」

するとさるが、

「知っとるがおらも行ったごとねぇ、んじゃそこ行って教えてやっぺよ」

とさっさと歩き出しました。

二人が行った茶屋は高い建物の7階にあってボドゲを店先に並べて売っております。

店の脇には明るい縁台が有ってそこではボドゲを借りて遊ぶ事が出来るようです。

二人は店番をしていた娘に声を掛け、早速ボドゲを始めました。

「先ずはコレだな、おらが教えてやっから」

さるはたくさんのボドゲからひとつを選んで縁台に並べ、解りやすく話し始めました。

「そっかぁ、この銭子使っていい札をたくさん集めた方が勝ちだな」

コジは嬉しそうに頷きました。

あっという間に時間が経って勝負が着き、さるが勝ちました。

「おめぇ初めての割に上手くやったな、褒美におらの作った大事な人形をやる」

そう言ってさるはコジに小さい人形を渡しました。

コジは嬉しそうに目を丸くしてその人形を見ながら言いました。

「おらもっとやりてぇ、この茶屋の本家が近くにあるって聞いた。そこさ行ってもっかいやっぺ」

二人は店を出ると幾つかの辻を曲がり、もうひとつのタンブリングダイス大町本店という茶屋にやって来ました。

狭い階段を昇り二階の隠れ家のような戸を開けると、そこにはたくさんのボドゲがところ狭しと置いてありました。

こっちの店は酒も飯も有って、さるは早速酒を頼みボドゲを選び始めました。

「次はこれにすっぺ。ポーカーの役を使って、あんべ良く勝った方が勝ちというシンプルな奴だ」

とさるは静かに言い、

「おら今度は負けね!」

とコジは叫びました。

しばらくするとコジが嬉しそうに声を上げました。

「おらの勝ちだな」

なんと初心者のコジが逆転勝ちをしたのでした。

「よぉーし、んだば次はこれだ。こっちはちょっと簡単にはいがねど」

さるはもう次を選んで来ました。

札には色々な仕事やら役割やら稼ぎがあって、どう集めていくか知恵が必要でした。

長い戦いの結果余り知恵のないコジはやっぱり負けてしまいました。

「いっぺいやればおらもきっと勝てる、けども今日は夜に用事さ有るから帰(け)ねばなんね…。なんか短けのもひとつやっぺ」

とコジは残念そうに言いました。

「そっかぁ、それはしゃねなぁ。短けので昔からある奴やっぺ」

とさるも残念そうに答えました。

さるが次に選んだのは駒が幽霊のそれはそれはめんこいゲームでした。

盤上で自分の駒を進めて、相手の駒を取りながら相手の陣地に入れば勝ち。だけど取ってはならない駒を取り過ぎたら負けてしまいます。

2回ほどやりましたが、ポーカーフェイスなさると違って思いがすぐに顔に出てしまうコジはどうしても勝てませんでした。

「クッソー、やっぱおめにはかなわね、だどもやっぱ面しぇかった。また教えてけろ!」

コジは楽しそうに伸びをしながら言いました。

「おらも面しぇかった、またやっぺ」

とさるは言葉少なく、それでもとても楽しそうに言いました。

さるとコジは別れを惜しむような五月雨の中、再戦を約束してまた来た道を海へ山へとそれぞれ戻って行きました。

おしまい。

追記

先日ボードゲームコレクターというよりは最近塗り切り張りの細工師として名高いさるら。氏と初めてお会いして色々なボードゲームを教授して貰いました。

コロナ禍ではありますが、やはりゲームは人と人が対面してするのが一番楽しいと改めて感じました。

尚方言はデタラメですので雰囲気でお楽しみ下さい。(汗)

ゲームの内容を詳しく知りたい方はさるら。さんのこちらの日記で

https://muuseo.com/sarura_004/diaries/967

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#さるかに合戦では無い

#元仏大統領サルコジでも無い

#ポプラ社から発売されないかなぁ

#頑張れ自分