梅花蒔絵印籠 平川斎定久作

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箱書から判断するに、#平川斎定久(へいせんさい じょうきゅう)の文化年間(1804~1818)の作品で、塩野家というお家に伝わった印籠のようです。
箱にそう書いてありますが、書いてある事の真偽・物自体の真贋のほどは不明です。

平川斎定久の蒔絵の作品は、九州柳川を領した大名の立花家にも「越後屋図蒔絵盃」というものがあり、立花家資料館(福岡県柳川市)の収蔵品として現在まで伝わっています。 つまり、平川斎定久は大名に納めても恥ずかしくないレベルの品を作る技量の持主です。
大英博物館にも、この職人の蒔絵の盃が収蔵されています。

塩野家がどちらの塩野家様なのかは分かりませんが、大名の所持品と同レベルの物を持つ財力があったという事でしょう。
シオノギ製薬の塩野家なら面白いな、とか、そういう身勝手な妄想も出来る品物です。

この印籠は、裏から表にかけて梅の木が途切れずに描かれており、構図も絵柄も大変見事な物だと思います。
内側は、刀の鞘などによく見られる「金梨地」の塗りが施されています。

根付は象牙製の、ダルマと枕の様なものを抱えた男の図です。元々の持主の塩野氏のミニチュアなのでしょうか、詳細不明です。

緒締の玉は珊瑚との前所有者の説明でした。

金色の塗りが剥げて下地の黒い漆が出ている所もありますが(縁の角ばった部分など)、200年の時を経た物にしては目立つ傷もさほどないと思います。

大きさは、およそタテ8.5cm ヨコ5.5cm 厚み1.8cmです。
小振りなので女性の和服の帯に下げても合うでしょう、と言うより元々、女性用の「姫印籠」なのかも知れません。

昨年中にヤフオクでyokohamaxartなるIDの業者から入手した物ですが、諸事情により手放します。

…と言う事で、平成30年1月9日、ヤフオク!に出品した。

だが、終了1日前の時点での入札金額に納得がいかず、出品を取消し。

流石に8割引きしてまで投げ売る気はない。

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