「刃牙の家」週刊少年チャンピオン創刊五十周年記念

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言わずと知れた板垣恵介先生の人気格闘漫画「刃牙」シリーズの家です。
企画会社さんからオファーがあった時にはすでに納期まで三か月、しかもすこっつめ、このサイズの日本の民家なぞ作った経験がありませんでした。
しかも、ファンの方には申し訳ないことに、このコミックの事さえ知りませんでした・・・

ただ、先方から送られてきた主人公の家を見させていただきそのユニークさに心が動き始め、おりしも友人の情景師アラーキーさんの日本民家作成マニュアルの決定版「駄菓子屋の超リアルジオラマ」がリリースされたばかり、かなり悩みましたがオファーを受けさせていただきました。

サイズがかなり大きいので三か月弱の納期では一分一秒が無駄にできません、しかも本業も繁忙期だったので、すこっつにはめずらしく緻密に計画を立てました。

で、まずしたことは・・・

刃牙シリーズの単行本を可能な限り集めてきてその世界観を体に叩き込むこと。
食事中、風呂、トイレ(すいません)、本業のさなかの営業車での移動中(これまたすいません)まで!ひたすら刃牙の世界に浸り込みその空気を体にしみこませるためほぼ一週間の間、作成には手を出さず、コミックに没頭し、ある種のトランス状態になってから作成にかかりました。

サイズは会場に埋没しない程度のもの言うことで、1/24スケール、地面も面白いラクガキが多いので、それも再現するため、45㎝×45㎝の大規模なものに。
幸い、パチンコとアニメの資料と図面をお借りできたので、家屋の基本的な構成はパチンコの資料から、知人の建築屋さんやアラーキー氏からの直接のアドバイスももらいながら、まず順調に作成は進行しました。

問題は、やはりラクガキ・・この再現が一苦労でした。
最初は私が全て手書きにしようと思ったのですが、たぶん、熱心なファンの方に袋叩きになる可能性もあり(笑)出来る限り原作に忠実に作るため、それぞれのデーターをコピーしデジタル処理したのちデカール(水転写シール)を作製、それを張り付けていきました。
ただ、普通のインクジェットプリンターでは白色が印刷できません、これだけは仕方がないので私が手書きしました、ころっと丸い感じの書体、それはすこっつの手書きの書体です・・ファンの皆様これは作者のサインとお考えいただきご容赦くださいませ。

で、メインの屋根の「刃牙死ね」なんですが、最初は板垣先生にじかに書いていただく計画だったのですが、残念ながら先生と私の日程がどうしても合わせることが出来ず、これも私の手書きとなってしまいました。

これだけはいまだに心残りになってしまいました。

出来上がり後はマニアの皆様はご承知の通り、各SNSでバズりそして拡散されかなり認知される作品となりました。
イベントの賑やかしコンテンツにも関わらず、しっかり保管されていて、先月も東京で、近いうちに板垣先生の故郷である北海道の釧路で展示される予定です。

2019年7月作成

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