山吹(30グラム包)

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1970年代後半以降、刻みタバコの原料供給が難しくなり、国産原料よる「ききょう」だけでは根強い需要に応えることが困難となりました。それでも、歌舞伎や新派などの舞台関係者、また根強い愛好者からの刻みタバコ販売継続の要望は依然として強いものがありました。
それに対応すべく、急きょマカオ産(ロンイク社「聯益烟廠」製品)を輸入することでその需要に応えようとしました。製品をただ輸入するにとどまらず、技術指導など行い国内の愛好者の要求に応えるよう努力はされましたが、品質の差を補うにはいたらず、あまり評判の芳しいものではありませんでした。

1977年1月20日~ 90円で発売開始【画像1・3】

・山形・新潟・島根の三県、東京・大阪のたばこサービスセンターで発売が開始され、全国的に拡売されたのは1979年7月のことでした。それでも供給量に制約があり、限られた常備小売店でも入手が難しいということがありました。
・正確な終売時期は不明で、2003年頃には売られていなかったことは確認されています。

※『文藝春秋 たばこの本』には、「昭和54年9月現在発売銘柄」として「ききょう」と「山吹」の2種が併載されている。3月の製造中止後も、在庫分の「ききょう」がかなり長期間並行販売されていたことがわる。

※『日本のたばこデザイン』(たばこと塩の博物館編、1985年3月)には、「山吹」の記載はない。輸入品の扱いであったのだろう。

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