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ゴールデンバット(10本入)―その1
日本の紙巻たばこは、専売制度の開始以前から輸出・輸入を積極的に行う先進的なものでした。
専売制度開始後はその販路を十分に活かせず、また海外の有力会社進出による売り上げ低迷、商標の抵触など様々な障壁もあって、市場撤退を余儀なくされる銘柄も多く存在しました。
この「ゴールデンバット」もそうした銘柄の一つで、「ほまれ」同様、当初は清国向け輸出銘柄の一つでした。コウモリが選ばれた理由は、コウモリの漢字表記「蝙蝠」(biānfú)の音よみが、「福が偏り来る」を意味する「偏福」(piānfú)に似ており、コウモリの図案は縁起の良いものとして古くから喜ばれていたことによるものです。上海ブリティッシュ・シガレット・カンパニー製品に抵触するということで、国内販売銘柄に転換されました。
発売当初から永らくは、低価格品の地位に甘んじていましたが、昭和恐慌時に多くの銘柄が整理されたことと、その価格の安さが人気を呼んで、1930年には売上ベスト1を記録するトップ銘柄に躍り出ることとなりました。著名な愛好者が多かったことで「バット党」という言葉も生まれ、また発売期間の長いことなどもあいまって、多くの逸話に事欠かない銘柄でもあります。
1906年9月1日~ 4銭で発売開始
1907年12月28日~ 5銭へ価格改正【画像1】
1917年12月1日~ 6銭へ価格改正【画像2】
1919年8月6日~ 7銭へ価格改正【画像3】
1922年10月1日 6銭へ価格改正 ☆物価政策の一環で値下げ
☆外箱の形態変更により、証票の位置変更。
1925年11月7日~ 7銭へ価格改正【画像4】
1932年ごろ ☆「賣」字体修正【画像5】
1936年11月11日~ 8銭へ価格改正 【画像6】
1938年9月~ 意匠改正
☆真鍮粉節約の目的で金色部分が褐色に変更される。
【画像7】1930年代初期まで使用された内小箱。専売創始当時の姿を伝える
【画像8】続いて使用された内小箱。英文表記だがのちに和文表記に変更される。
[1972 日本専売公社]