明治六年(1873年)製作 八寸五段重 「朝日かげ」

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明治6年製作の八寸の五段重です。この時代のお重は一段が非常に高く、五段で40センチほどの高さになる超大型のお重です。画像はお譲り下さった方が撮影したものです。変り塗は松葉、檜葉、菜種と四角い箆を使った「朝日かげ(あさひかげ)」という珍しいものです。蓋が二枚というのは五段重では一般的な仕様のようで、明治期の五段重で一枚だけの蓋というのはほとんどありません。
共箱蓋裏にはとても貴重な情報である書付があります。白嵜傳助氏が明治6年10月に注文した後、伊藤治良右エ門氏が譲り受け、その後早藤慶治郎氏が買入したと書かれています。所有者が三代にわたることからとても評価の高いものだったことが分かりますが、ほとんど使われていない素晴らしいコンディションです。

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