父の誕生日に

私のレコード好きは父譲りである事を前に日記に書いたと思うけれど、

そんな父は今、毎日レコードと共に、余生を優雅に過ごしている。

…そう聞くと、いかにもずーっとレコード生活を続けてきたかの様に聞こえるが、実は再びレコード生活に戻ったのはつい最近で、ちょうど一年前の事なのだ。

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世の中の流れと同じ様に、我が家にもCDという新しい流れが訪れ、父もここ数十年の間はCDで音楽を楽しんでいた。

…のだか、Facebookで繋がっている実娘がバカバカとレコードの写真をアップし始め、レコード生活を謳歌している様を目の当たりにし、相当羨ましかったらしい(笑)

私がレコードプレイヤーを買った3年前くらいから、正月実家へ帰る度、母のお見舞いで病院で会う度、人の顔見掛けるや

「お前のより良いヤツ(オーディオの事ね)買ってやるぞコノヤロウ」

とご丁寧に挨拶してくれるようになったので、

父がプレイヤー買うのを今か今かと楽しみにしていたのだけれど、

その割に一向に買う気配がない。

先立つものはたっぷりあるらしいのだけれど、

いざ買うとなると、アレコレ迷ってしまっている様だったので、

優しい私は、昨年父の誕生日に

レコードを一枚プレゼント🎁してあげる事にした。

"something else"

Cannonball adderley 

その昔、知人に貸してそのまま返って来なかったアルバムなんだそうで

「やっぱり聴きたいから悔しいけどAmazonでCDを買った」

と、もう随分前にFacebookで父がボヤいてたアルバムである。

なので、これはいつかプレゼントしてやろうと思ってたので、

状態の良さげなものをメルカリで見つけ、購入してプレゼントしてあげたのだ。

もちろん父は、久しぶりにこのレコードと出逢えたことと、そのエピソードを私が覚えていた事をとても喜んでくれ、

そしてもちろん、再生機器を持ち合わせていない父は、

「こんなの貰っちゃったら買うしかないだろ❗」と、

早速翌日 喜び勇んで大手電気屋さんへ直行し、無事プレイヤーを購入してきた…というわけ(笑)。

ちょうどこの頃、母があと数日か数週間しか生きられないと余命宣告を受けた直後だったので、久しぶりに嬉しそうな父の姿を見る事が出来て、私も嬉しかったのを覚えている。

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あれから一年。

その後父は治ることの無い心不全を患い、一時は歩くこともしんどい時もあったが、何度か受けた手術で多少楽になったようで

「大変なんだぞ、病気誤魔化しながら生きてんの！」

と悪態をつきながらも、

「お前知ってるか?!図書館でレコード貸してくれんだぞ」

と言いながら、野毛の坂(横浜市民なら知らない人はいない心臓破りな急坂)の途中にある市立図書館へ、乗り慣れた電動アシスト付スポーツ自転車で通っているらしい。

相変わらず、アクティブで元気だなぁ(笑)

母が亡くなるわ、自分も体調崩すわでしばらく落ち込んでいた父だけれど、

レコードのおかげで、優雅な毎日を送っている。

また母の介護もおわったので、今は十数年来のFacebook仲間ともちょこちょこ会っては遊んでいるらしい。

…って、あれ？

どこかの誰かと似ているような…(笑)

おしまい。

#アナログレコード

#認めたくないけど私は父似