RFT/Koelleda/VEB パワーアンプ Type 8321.7.1

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東ドイツRFT社製、EL36 pp パワーアンプ
フルメンテナンスを施しました。電源部電解コンデンサ交換、カップリングコンデンサ交換、その他劣化部品交換、ハンダ修正、各部点検

メーカーとしてはKoelledaかVEBでしょう
球構成はECC83x1、 ECC85x1、EL36x2本、ゲルマニウムダイオード整流です。
出力は25ワットくらい、インピーダンスは400Ωです。このことから、映画館と言うよりむしろ構内放送用の機器でしょう。スピーカーをつなげる場合、マッチングトランスを使用します。業務用アンプと言ってもS/Nも良く高音質のアンプです。
残念ながら片方の全面の塗装が剥がれ掛かっています
形はラック用ですが、19インチ規格ではありません。

前面のパネルには音量ボリウム、低音、高音のトーン・コントロールつまみ、ハム・バランサー、ヒューズ、使用電圧切り替えが配置されています。トーン・コントロールツマミの上のボリウムはバイアス調整用のボリウムです。たいへん整備性の優れた機器です。メンテナンスに際してこのボリウムは交換しました。左端はマジックアイです。

試聴して分かったこと。EL36という球の特性を知っていれば当然なのですが、この球は低電圧でつかえるためトランスにかかる負荷が少なくて済む。よって、発熱が少ない。また、コンデンサ、抵抗等々の電子部品も耐圧の低いもので済む。結果としてコストダウンが可能。ですが、このアンプを見る限り、コストダウンを狙って作ったとも思えません。
S/N比も良く、繊細にして力強く、音の広がりと深みを、音楽のうねりのようなものを感じさせてくれます。siemensやklangfilm等、西ドイツの音作りとは異なる、どこか優しさを感じる音の世界に招き入れてくれます。

参考にしてください https://www.radiomuseum.org/r/funkwe_kol_kraftverstaerker_25_watt_2.html

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    はるさめ

    2022/03/01 - 編集済み

    低音、高音を示すマークがト音記号とヘ音記号なのですね、わかりやすくて少しかわいらしいです。

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    • こんにちは。コメントありがとうございます。そうなんです!無骨な手をした音響技師さんがつまみを調節している姿を想像するとなんとなく微笑みたくなります。

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