My Museum探訪記 | 三葉虫(trilobitesさん)
初版 2023/02/18 07:40
改訂 2023/02/19 18:51
みなさま、こんにちは!ミューゼオスタッフの松山です。
前回の第一号で、新暦旧暦それぞれの正月の話題を取り上げたばかりですが、
気づけば早くも年度末が近づいております。
引越しシーズンということもあり、
改めてご自身のコレクションの棚卸しを予定されているオーナーさんも多いかも知れません。
さて、「ミューゼオならでは!」のミュージアムをご紹介するシリーズ「My Museum探訪記」!
今回お訪ねするのは、trilobitesさんの運営する「三葉虫」ミュージアムです!
三葉虫・・・聞き覚えはありますね・・
そしてそのおおよその姿も浮かぶ・・
こんな感じ(↓)。

Asaphiscus wheeleri | MUUSEO (ミューゼオ)
https://muuseo.com/trilobites/items/5?theme_id=20905

Trilobitesさんによると、「一般的な種類として安価に入手できる」三葉虫だそう。
でもこれ以上・・・何の知識も出てきません!! >_<
ということで早速訪問してみることにいたしましょう!
目次
- 三葉虫って?
- 突如三葉虫が愛おしくなる、オススメの訪問順路!
- 圧巻の12F!
- オーナーさんが語る「my museum」
- Trilobites Musemについて

Trilobites ミュージアム | Muuseo(ミューゼオ)
https://muuseo.com/trilobites

1. 三葉虫って?
trilobitesさんによると、三葉虫とは
「古生代の3億年近くを生き、現在は絶滅してしまった古代生物」
のこと。
すでにこの世には存在しない生物なので、
trilobitesさんがコレクションされているのは、その三葉虫の「化石」
ということになります。
trilobitesさんのミュージアムは、
13のコレクションルーム(2023年2月現在)で構成されていて、
1~6Fはフロア名に「period」の文字があることから、
年代で分類されていることが伺えます。

も、もしや 3億年の変遷が展示されているということなのでしょうか!?
2. 突如三葉虫が愛おしくなる、オススメの訪問順路!
とはいうものの素人目には何が何やら・・・
はてどこから訪ねたものか。
と、ふと上層階に目をやると、そこには
年代とは異なる切り口で展示された、更にディープなフロアが!
10Fに展示されているのは、"Healed bite mark"

<4品展示中>Healed bite markのアイテム | Muuseo(ミューゼオ)
https://muuseo.com/trilobites/collection_rooms/12

なんと“怪我が治った痕跡が残る”化石たち!
不思議なことに、
それまで無機物としか思えなかった化石たちが、突如
「かつて自分たちと同じこの地球上に存在していた生命」として迫ってくるのを実感します。
怪我、治って良かったね(涙)
なるほどこういう観点からの収集もあるのか、と関心すると同時に、
trilobitesさんによるフロア解説
「欠損や見た目が良くないと敬遠する考えと、
数百匹に一つもない非常に貴重な状態と重宝する考えと
コレクターにより意見が分かれ」
がまた、奥深さをものがたります
(紙幣や切手の印刷ミスは「エラー紙幣」等と希少視され、高額で取引されることが多いようですが)。
13Fは、三葉虫をモチーフにした切手のフロア

<25品展示中>Trilobite stampsのアイテム | Muuseo(ミューゼオ)
https://muuseo.com/trilobites/collection_rooms/10

「化石に詳しくないデザイナーが描いたと思われる三葉虫」
のイラストたちに寄せたtrilobitesさんのコメントが秀逸で、
鑑賞する楽しさをかきたててくれます。
三葉虫にも切手にも関心がない層であっても楽しめる作りになっていて、
trilobitesさんの、キュレーターとしての手腕に脱帽です!
3. 圧巻の12F!
そして圧巻は、
三葉虫に関する世界中の資料が展示されている12F!

<158品展示中>Trilobite booksのアイテム | Muuseo(ミューゼオ)
https://muuseo.com/trilobites/collection_rooms/9

そのものズバリの化石ではなく、
まつわる本や論文などが展示されるこのフロアがなぜスゴイのか。
それは
「その多くは、小ロット発刊であったり、絶版の書籍も多く、
化石標本以上に入手が限られる状況(trilobitesさん)」
だから!
それらが158アイテム(2023年2月現在)も収められ、
詳細な解説が添えられた展示室は、
三葉虫についての、比類なきレファレンスサービスが提供されている、
まさに貴重な情報の宝庫といえるのではないでしょうか!
4. オーナーさんが語る「my museum」
スミマセン、肝心な三葉虫さんたちを紹介する前に紙幅が尽きてしまいましたが^^;
最後にオーナーのtrilobitesさんより、
ご自身のミュージアムについて、ご紹介をいただきます。
Q コレクションを始めたきっかけについてお聞かせ下さい。
A 学生時代から化石収集に興味を持っていて、三葉虫の多様性に富んだ姿に魅了されたためです。
Q 特に思い入れのあるアイテムおよびコレクションルームを教えてください。
A 「3F Silurian period」の「Balizoma(Encrinurus)variolaris」です。

Balizoma(Encrinurus) variolaris | MUUSEO (ミューゼオ)
https://muuseo.com/trilobites/items/159?theme_id=20975

古生物学の発展に重要な足跡を残した歴史的な産地と標本ですので、
その様なアイテムを入手できた事が嬉しかったです。

Q 展示上の工夫や、こだわりについてお聞かせください。
A 多くの人の眼に触れるため、学術的にも正確な情報を記載できるように、気を付けています。
Q コレクションに際して、myルールのようなものがあればお聞かせください
A 化石の中でも「三葉虫」に関わるものだけに絞り込むようにしています。
trilobitesさん、素晴らしいミュージアムを見せていただき、ありがとうございました!
5. Trilobites Museumについて
trilobitesさんがオーナーを務める「三葉虫」についてのミュージアム。
「三葉虫」という、ファン層も取り扱うアイテムも限定的なミュージアムでありながら、
来館者数は、驚異の10万PVが射程圏内(2023年2月現在)。
保有アイテムは800に迫るそうで、順次Muuseoに展示中とのこと。
なお、4(オーナーさんが語る「my museum」)の、展示上の工夫にもありましたが、
コレクションするアイテムが学術的な色を帯びるものとなれば必然的に、
そのアイテム説明文にも、正確性が期待される可能性が出てくるでしょう
(特に「事実」と受け取られる書き方をする場合など)。
このような点にも配慮した真摯なミュージアム運営姿勢もまた、
多くの支持を支える屋台骨となっているのかもしれません。
trilobitesさんが考える三葉虫の魅力とは、「多様性」。
オーナー名のtrilobite(s)は、ズバリ三葉虫のこと。

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