ミス・ギロチン(裁断ミス):Eシリーズ5ポンド紙幣

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「エラー紙幣(裁断ミス)」
後半大判シートのお話は、ちょっと専門過ぎる内容になりますが、
純粋に、英国のおおらかな裁断技術を堪能いただければ幸いです。

◇ミス・ギロチン
英国エラー紙幣の一類型に、
「Misguillotined」(ミス・ギロチン=裁断ミス)というのがあります。
物騒な、おそろ恐ろしいネーミングに聞こえますが、
日本でもB号券くらいなら、まま見られるものでしょうか?
英国では、
ほんの最近のEシリーズ(1990年代)でも見られます。
上下・左右の裁断ずれが存在しますが、
ここでは、左右に21㎜ずれたものをお見せします。
(画像では正規品との比較もしてみました。)

◇大判シートの並び順
エラー紙幣としても、なかなかの珍品にて、一見の価値ありですが、
(日本のE号券でしたら、云百万円の値がつきそう?!)
ここでは、冷静に英国紙幣の大判シートの分析をしましょう!
謎?の解明(検証)に一役買います。

上辺左の記番号は、
「AL17 702799」ですが、
右辺(裁断ずれの結果左辺にきている)縦書きの記番号は、
「AL09 702799」です。

英国の大判シートは、最近のものは、横5枚、縦7~9枚で、
1シート中の各紙幣の通し番号(Serial)は同番、組数・記号(Prefix)が異なり、
縦の配置枚数により、1シート中の組数は35種から45種となります。
この頃の、5ポンド紙幣は、
時期により、縦8枚か縦9枚と変化しますが、
本件、大判シートは、上記の通り、左右隣り合った組数が、
「AL09」「AL17」であることから、
縦8枚、と検証できるわけです。
英国の紙幣カタログによれば、
1シート40枚のものが、
組数「CC**」から、1シート45枚に変更になったとかで、
正解のようです。

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