コレクターとマラドーナ
公開日:2020/11/29
今回はこの悲しい話題を避けては通れません。
ご存知の通り、ディエゴ・マラドーナ氏がお亡くなりになりました。
脳血腫手術のニュースは気になっていました。
ただ、成功したと聞いていただけに、この展開は予想していませんでした。
今の気持ちを一言にまとめるとこの言葉に尽きます。
「俺、こんなにマラドーナ好きだったのか。」
今回は尊敬の念を込めて、彼の偉業を振り返りたいと思います。

マラドーナとの出会い
彼との出会いは1986年、FIFAワールドカップメキシコ大会。
あの伝説の一戦、準々決勝イングランド戦です。
Jリーグが存在しない当時のサッカー観戦の中心は、年末のトヨタカップと正月の天皇杯決勝。
少年時代のmemorabiriazは「ワールドカップ」という未知のコトバに、ドキドキしていました。
大会の注目は前年のトヨタカップで幻のゴールを挙げたプラティニとジーコで、私は「将軍」のフランスを推していた記憶があります。
両者が直接対決する6月21日から友人宅にお泊まり観戦し、その翌日に観たのがアルゼンチン×イングランドでした。
件のとおり観戦数の蓄積が少なく、選手の比較基準が育っていない時代。
そんな少年でも、マラドーナの「5人抜き」だけは本能的に「違う」と分かった。
4分前の「神の手」で悶々としていた直後だけにインパクトは絶大でした。
ただし、「スポーツマンはクリーンであるべきだ。」と考える、正義感溢れる当時のmemorabiriaz少年の中には、
ウマさよりもズルさで初期のマラドーナ観が形成されることになります。

アンチマラドーナの時代
「ズルいマラドーナは、許すまじ!」
1990年代はそのマインドを満たしてくれるアンチテーゼ的存在を探す旅でした。
サッキとオランダトリオのACミランしかり、R・バッジョのイタリアしかり。
でも、論理的に考えればおかしいでしょう?
バッジョが好きで、マラドーナが嫌いだなんて(笑)。
そもそも、ファーストコンタクトがあの試合。
いまだにドリブラーが好きですし、
マラドーナの影響をバリバリに受けている。
それなのに、私は負の側面ばかりを忌み嫌っていて、
プレーヤーとしての正の側面から目を背けていた訳です。
彼のプレーを純粋に愛する同世代の少年達は、
マラドーナを真似しながらプレーヤーの道を歩みました。
へそ曲がりの私は彼にブーイングを飛ばしながらも、
サカつくではD・マルドラドを、コレクションでは彼のオートを収集するという矛盾を抱え続けることになる訳です。

マラドーナの印象が変わった。
そんなマラドーナの印象が変わったのはここ10年です。
SNSのおかげで、彼が世界中を旅する姿を拝めるようになりました。
どのクラブでも、選手が我も我もとサインやツーショットをおねだりしてる。
そんな若手を、両腕を広げて抱きしめる好々爺ぶりがたまらなく可愛いのです。
おかしな話ですよね。
彼のパーソナリティを嫌っていた私が、
彼のパーソナリティを愛しているんですから。
それから録画やYouTubeで、彼のプレイをじっくり見返すようになり、
あらためて、マラドーナがサッカー界の至宝であることを実感するようになりました。

ペレか、マラドーナか、それとも。
ルールや戦術を含め、スポーツは時代ごとに変質します。
人間は自分の魂が揺さぶられたものを愛する動物なので、
リアルタイムで見ていない選手には共感しづらいものです。
よって、GOAT論争自体は無意味なものと感じています。
今ならば、メッシでしょうか。ロナウドでしょうか。
未来はムバッペ?ハーランド?まだ見ぬ天才かもしれません。
お気に入りの選手を愛し続ければ良いと思いますが、
マラドーナもぜひ愛し続けていただきたいと思います。
今夜、私が揺さぶられた伝説の一戦が再放送されます。
もし、マラドーナのプレーを観たことないサッカーファンの方がいらっしゃったら、ぜひご覧ください。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b0dba35e38564f5868b01eab4d0c3fc659a7b328

マラドーナ伝説の「神の手&5人抜き」BS1で29日夜に緊急再放送…メキシコW杯イングランド戦(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース
NHKは29日午後11時からBS1で、25日に心不全のため60歳で死去したサッカー元アルゼンチン代表FWの世界的スーパースター、ディエゴ・マラドーナさんが「5人抜き」で世界を驚かせた1986年W杯
https://news.yahoo.co.jp/articles/b0dba35e38564f5868b01eab4d0c3fc659a7b328
最後に一言。
「ディエゴ、ありがとう!安らかに!」
本日もありがとうございました。
memorabiriaz
いいね!
15人がいいね!と言っています。