コレクターと転売

初版 2020/10/03 11:31

改訂 2020/10/03 13:03

おはようございます。


先日、Twitterでコレクションの整理を希望される方がおられました。

市場価格を踏まえ数万円をご提示したのですが、ご縁がございませんでした。


幸い別の方からお安い金額で購入できたのですが、

数日後とあるオークションを眺めていたところ、

冒頭の商品が私の提示額より高い価格で出品されていました。


初めはオイオイな値付けでしたが段階的に値下げされ、

最終的には私の提示額より1万円近く高い価格で落札されました。


その方からすれば私に「売らずにトクした」わけですし、

私はその方から「買わずにトクをした」となります。


話は変わりますがオークションAに出品中の商品が、より高値でオークションBに出品されているケースを見かけます。


各サイトの手数料の差額や関税額を大きく超えています。

恐らく、別の出品者様による「空売り」でしょう。


そうした転売を嫌う出品者様でしょうか。

写真に「無断転売禁止」と書かれているケースも見かけます。



まとまりのないマクラになりましたが、私は転売についてネガティブな印象はもっていません。


他人の経済活動に関心がないと言ってしまえばそこまでですが、その他にもいくつかの理由はあります。


◼︎理由①:転売が市場価値をつくる。


モノが動くことで市場価値が生まれます。流通が重要であることは言うまでもありません。ただ、コレクターにとって市場価値がすべてはない。価格に振り回されることなく、自分が好きなモノを自分の眼で入手することを収集の軸に据えたいところです。


◼︎理由②:転売で資産売却ができる。


コレクターは社会やご自身の経済環境に大きく左右されます。好況時は「買い」一辺倒。資金難なら「売り」に走るしかありません。長年欲しかったアイテムを見つけた時、コレクションの一部を売却して資金を調達する方もいるでしょう。終活をご検討の方であれば、資産継承のために段階的な整理が必要です。


◼︎理由③:他人の経済活動は尊重する。


「転売ヤー」と呼ばれる方々がいます。①の観点から否定はいたしません。私はコレクターとしてダメなのですが面倒くさがり屋なので、むしろ大量の商品を定期的に出品されている方やオリジナルパックを作る方のマメさには感心するばかりです。


こちらは私のコレクションのジョージ・ベストです。

市場ではいまだに10万円以上で取引されています。

こうしたオブジェも流通が滞ると「ただの紙切れ」になってしまいます。





今後もどなたかの転売によって適度な循環が生まれ、一定の価値が維持されることでしょう。


本日もお付き合いいただきありがとうございました。


memorabiriaz

2003年からフットボール・レジェンドのオートグラフ収集を開始。「直線」「曲線」「点」が織りなすデザインの美しさと、同一人物でもふたつと同じ筆致を生み出せない単一性に強い関心を持つ。バロンドール受賞者やワールドカップ出場選手を中心に「オートグラフ・タイポロジー」に取り組んでいる。

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