産地データの管理について

初版 2023/05/30 21:56

改訂 2023/05/31 20:17

私は手に入れた標本のデータについてはかなりいい加減で、紙のカードがついていたら保管しておくが、ネット上のデータの場合、書き留めることはまずなく、当該ページが消えてしまうとともに、産地データも失われるのがつねだった。

しかし私の集めるものはほとんどが一般種であり、それらはだいたい産地がきまっている。
たとえば Paradoxides gracilis ならば、チェコのカンブリア系、それもインツェ層以外からは出ない。
だからとくに産地データを控えておく必要はなかった。

ところが、半年ほど前に手持ちの化石の放出を行ったとき、産地データのあやふやなものがいっぱい出てきて、出品するのに説明が書けず、非常に困った。
あわててネット情報や過去の購入記録、保存してあった手控え、種々の化石本などを参照して、なんとか間違いのなさそうなところまで漕ぎつけたが、その過程で化石に対する興味が再燃したのはなんとも皮肉ななりゆきだった。

手許に残った40種ほどの化石、およびほぼ同数の鉱物について、ちゃんとしたデータを作製しておきたいという気持はある。
ミューゼオを始めたのはそのいい機会だから、このさいデータをきちんと整理してみてはどうか。
それと、今後必要に迫られてあたふたするのはいやなので、新規購入分についてはデータをとっておくことにした。

しかし、どうもこのデータなるもの、はたして正確かといえば、疑問がなくもない。
フランスで、マッシフ・アルモリカ産といえばいちおうもっともらしいが、これは日本でいえば日本アルプスで産出した、というのと大差ない。

というわけで、産地データを保管していてもいなくても、正しい情報を得ようとすれば、がんばって自分で調べてみるほかないという結論に達した。

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ktr

鉱物と化石の標本を集めています

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    Trilobites

    2023/05/30 - 編集済み

    私の場合は、エクセルで管理してるのと、標本箱にテプラでラベルを付けています。購入時にラベルがあれば、一応各標本箱の底に保管しています。気に入っていた標本も何れは手放したり、本人が亡くなったりで、家族らが放出する事になる可能性もありますので、一般が価値のわかりにくい化石には情報が多いに越した事はないですしね。情報については、正確でない事も事実ですし、産地をあえて公開したくないので、広域の地名にする場合もあると思います。コレクターとしては、正確で番地の数字前位の地名が欲しい気もしますが、必要最低限でも良い気もします。調査してわかった事項は、追加するに越した事はありませんが。

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      ktr

      2023/05/31

      エクセルとテプラでの管理、楽しそうですね。
      あれだけの数ですから、もちろん手間でもあるんでしょうけど……
      私はもともとあまりデータを重視していませんでしたが、ある鉱物学の先生が「産地データのないものなど標本とは呼べない」と書かれていたのを読んで、一気に覚醒しました。

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    trilobite.person (orm)

    2023/05/30 - 編集済み

    私もエクセル管理をしているのと、オンラインで買った標本の場合は、産地など記載のページをpdf化して保存しているのですが、今回放出をしていて、結構抜けがあることに気づきましたね。特に、昔買った標本などはラベル管理がいまいちでした。
    あとは産地直送でなく、何人かの人の手を渡った標本は、伝言ゲームで、ちょっとずつ情報が間違って伝わってしまい得る問題などもあるでしょうね。

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      ktr

      2023/05/31

      エクセルにpdfとなると万全にみえますが、やっぱり抜けは生じるんですね。
      私の場合、届いた標本がしょぼかったりすると、てきめんにおろそかになります。
      いずれにしても、産地データは蒐集における「ゲームの規則」なので、守るか、なおざりにするかによってその人の人間性が窺われますね。

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