三葉虫の謎(4)

初版 2023/03/11 13:23

改訂 2023/03/12 08:33

もう何年も前のことだが、世界最大の三葉虫がポルトガルで見つかったというニュースがあった。
こういう大型の三葉虫は世界のあちこちで見つかっているようだが、同じ産地から他のもっと小さいものが出たという話を聞かないのはどうしたわけだろう。

たとえばニューヨークのテラタスピス。
これは部分化石でしか出ていないようだが、5㎝くらいの完全体があれば、欲しがる人はいっぱいいるだろう。

なぜ大きいものだけ単独で出て、小さいのが出ないのか、ふしぎに思っている。

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ktr

鉱物と化石の標本を集めています

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    Trilobites

    2023/03/11 - 編集済み

    大体同じような大きさの個体しか産出しない理由を考えてみました。

    ①成長過程において生息域が異なる。
    ②脱皮回数により大きく容姿を変える。
    ③脱皮時の成長が著しく、ある程度の大きさになるとサイズが安定する。
    ④小型個体が化石化しにくい外骨格成分か産地。

    化石になる条件は、極めて狭いと考えられますので、実際には化石になって見つかっていない種類も多かったのではと思います。

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      ktr

      2023/03/12

      どの理由も想到したことがなく、なるほどと思いました。
      1、2、4あたり、私には説得的でしたね。
      化石化する条件が狭いのと、さらにその化石が人目に触れる可能性の低さを考えれば、われわれの知見がいかに限定的かを思い知らされます。

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    trilobite.person (orm)

    2023/03/11 - 編集済み

    面白い話題ですね。
    Trilobitesさんに便乗すると、私も①と②は特にありうるのかなと、昔考えておりました。グループは大きく違うとはいえ、デボン紀ぐらいまでは、三葉虫は現在の魚類のニッチを占めていた生き物でしょうし、そうであるなら、ウナギやサケ科の魚のように、成長段階に応じて生息場所を変える種がいてもいいんじゃないかな、と。

    モロッコのuralichasやacanthopygeなんかそうですが、あんなに目立つ種なのに全く同じ土地で幼体がほぼないのに対し、一方、離れた別の産地で、同種の若い個体なんじゃないか、と思える見た目の種がいるような気がしないでもないなと、思うことがあります。

    テラタスピス然り、リカス目(に限らないかもですが)は成長段階によって大きくその姿と生息場所を変えるグループである、というのが私の仮説(根拠なき妄想)です。

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      ktr

      2023/03/12

      現生動物との類推も、私はほとんど知るところがないんですが、おもしろいものですね。
      成長段階で姿が変ったり、離れた場所で見つかるのが同一種の幼体と成体だとすると、およそ1万種とかいわれている三葉虫の種数もだいぶ整理されそうです。
      いずれにしてもormさんの説はとても興味深く、今後注意していきたいと思います。

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