禁則事項の確認
初版 2024/06/23 07:55
改訂 2024/06/23 21:28
三葉虫の蒐集ならびに展示が一段落したところで、復帰当初定めた指針がどれだけ守られたか、確認してみましょう。
1.モロッコ産、中国産、ボリビア産、ポルトガル産、スペイン産には手を出さない。
これはだいたい守れました。
中国産ではレドリキアを、ポルトガル産ではヴィソカニアを買ってしまいましたが、前者は中国産という枠内には収まりきらない、いわば三葉虫全体のなかでももっとも基本的なもののひとつなので、やはり愛好家としては手に入れておきたいという気持が働いたというのがあります。
また後者は、入札ミスによるアクシデンタルな購入という、例外的事象なのでありました。
2.僻地の僻標本には手を出さない。
これを破ったとすれば、ヴィソカニアがそれに当りますが、上に書いたように、まあやむをえなかった、と。
3.部分化石には手を出さない。
これは確実に守れました。
4.大きすぎるもの、小さすぎるものは避ける。
小さすぎるものとしてはエオディスクスを買いましたが、小さすぎないエオディスクスというものは存在しないので、禁を破ったという感じはしません。
5.トゲを浮かせたものは避ける。
6.丸まったもの、反り返ったものは避ける。
このふたつも守れました。
7.石炭紀は Paladin transilis のみとする。
これはちょっと前にヤフオクに出ていて、どうしようかなと迷ったのですが、28万という金額に見合ったものであるか、と考えている間に売れてしまいました。
購入するとなると、新品、中古を問わず、今後も30万くらいは出費を覚悟しなければなりませんが、はたしてそれだけの価値があるかどうか、やや疑問に思えてきました。
8.プロエトゥス目は Paladin transilis のみとする。
これについては上に書いたのといっしょですね。
9.アグノストゥス目は Agnostus pisiformis のみとする。
これは今後とも破られるおそれはなさそうです。
10.エオディスクス目は Eodiscus もしくは Pagetia のみとする。
Eodiscus punctatus を手に入れたので、エオディスクス目はこれにて終了です。
11.模式種が手に入る場合はそれをもって一属を代表させる。
新規購入分としては、アウラコプレウラ、キベレ、ノビリアサフス、イレヌス、シュードバシリクス、クネミドピゲ、エオディスクスなどが模式種で入手できました。
この路線は今後も守っていきたいです。
12.模式種以外でも、なるべく一属につき一種を心がける。
これについては、デアナスピスを2種手に入れたのが反則のようですが、標本のタイプが違うので、まあやむをえませんでした。
こんなところです。
この指針は、私の購入の傾向にうまく合致しているようなので、いちおうこのままで置いておきましょう。
Trilobites
2024/06/23 - 編集済み近年は目標を置いていない私としても良い標本が無いという理由で、コレクションは殆ど増えていませんが、資金も置き場所も有限である事を考えると、しっかりと道筋を決めておく事は何事にも繋がりますが、重要ですね。たまに路線からズレるけどストライクな標本が来てしまう時にどう行動するか、時が過ぎると色々な変化要素もありますので、悩ましいですね。
1人がいいね!と言っています。
ktr
2024/06/23こんなふうに箇条書きにしなくても、だれでも心の中になにかしら判断基準みたいなものは持っていると思います。
ただ私の場合、それが時と場合によって揺れ動くので、いちおう明文化して購入範囲をきめたという経緯があります。
Trilobitesさんくらいになると、いったいどういう基準で買われているのか、ふつうの人にはまずわかりませんね。
なんか高山の頂の空気の澄んだところで、天上の星々を眺めてらっしゃるような、そんな印象を持っています。
1人がいいね!と言っています。
Trilobites
2024/06/23私は前も話したかもしれませんが、欲しい種類があり探すという事は先ず無く、そのタイミングに出会った標本に対して予算があれば購入するという無計画なスタンスですから、一期一会型なんです。歴が長くなったので系統的に収集できているだけですね。それに比べて、しっかりと基準を設けて収集をしていくスタンスのktrさんの様なコレクターは、素晴らしいなといつも感心していますが、今更スタンス変更しても高額種の一覧表になってしまうだけなので、今のままでいいのかなという感じです。気になるのは立松氏のようなトップレベルのコレクターが、どの様な基準を設けて購入していたかですね。
1人がいいね!と言っています。
ktr
2024/06/23たしかに、お話を伺ってますと、そのやり方がいちばん長続きもするし、かつ破綻もなさそうですね。
私もお金に余裕があれば、そうしていたかもしれません。
私のいまのやり方は、コレクションを拡大する方向には向いていないので、いつかは壁に突き当ると思っています。
立松氏なども、おそらくは無意識の選択に任せる方向で集められたのではないでしょうか。
それでなければ、とてもあの数には達しないと思うので。
trilobite.person (orm)
2024/06/23 - 編集済み再開して以来、こちらやブログにアップした新規入手標本のみ振り返ると、北米X3(Orygmaspis, Menomonia, Paradoxides)、中国x3(Damesella, undetermined speciesX2)、イギリスX2 (Barrandia, Dindymene)、欧米(Encrinurus, Hydrocephalus?, Stenopareia)、日本X1 (Encrinurus) でした。驚くべきペースの遅さです。
これを踏まえ、2023年3月頃に、私が、ktrさんのこの12戒を真似して書いたものを見返すと、ちゃんと守れたのは3番ぐらいでしたね(→3. 中国産は、最古の産地、質の良い普遍種、新種に注目して集めたい)。5や6(→モロッコ産、ロシア産に関する戒) などはカスリもしていません。己の指針の無さが際立ちます。
ktr
2024/06/23ormさんの場合は、肯定的目標なので、肝腎の標本が市場にない以上、達成のしようがありませんね。
それからすれば、まずまず満足すべき成果ではないかと思われます。
枯渇気味の欧米産と比べて、モロッコ産、ロシア産はまだ余地がありそうなので、そっち方面に舵を取るのもひとつの行き方ですね。
1人がいいね!と言っています。