ギンギラギンにさりげなく
初版 2024/04/23 18:56
改訂 2024/04/27 12:20
という歌の意味がいまだによくわからない。
いったい、ギンギラギンでありながら、さりげなくいられるものだろうか。
というわけで(?)、前回書いたギンギラギン三葉虫ですが、しばらく手許において、暇があれば眺めておりましたが、どうにも愛せないことがだんだんわかってきました。
決定的だったのは、佇まいがよく似たケラウルスの標本と並べてみたときに、このギンギラギン三葉虫がまるでセメダインを塗りすぎて失敗したプラモデルみたいに見えてきたことで、これはいけないと遅まきながら悟りました。
とにかく何とかしなくては。
さてどうするか?
とりあえずは、まず塗装をはがそう。
そこでふたたびアセトンに登場を願って、塗装剥がしに取りかかったわけです。
結果はすぐあらわれました。
いや、なんというか、いわゆるすっぴんに戻った三葉虫を見て、これはまたなんと地味な、と少しばかり驚きました。
まったく、輝きを失うとこうもなるかと思うくらい、そう、人間の時間でいえば50年くらい一気に年をとったようにみえます。
しかし、それも一瞬のことで、むきだしになった石はその本来の質感に戻って、もともと持っていたしっとりと落ち着いた魅力を放ち始めます。
おそらくそうとう昔に剖出されたと思しい、その古めかしさが、化石標本らしい佇まいとともに、私の目と心にすんなりと入ってくるのです。
そうそう、こうでなくてはいけません。
この手の三葉虫の場合、地味な中に滋味を見出すというのが、正しい行き方だと思わざるを得ません。
この手の三葉虫と書いてもたぶんピンと来ないと思いますが、またそのうち紹介したいと思います。
ビフォーアフターの写真付きで。
Trilobites
2024/04/26 - 編集済み元に戻す技術や資材が普通は無いので、標本を犠牲にして調査するのは勇気がいりますね。博物館で展示するような標本の修復には、そのままで十分ですが、コレクションとしてナチュラルな本来の姿を正とすると、悶々とする中で保有するのを許せなくなると手放すしかないですからね。修復技術の公開は気になるコレクターは多いと思いますので、続編の写真付きを期待します。
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ktr
2024/04/27今回の作業は、たんに表面のギラギラを除去したかっただけで、とくに修復箇所の見極めを目的とはしておりませんので、標本としてはノーダメージです。
めちゃくちゃ高品位のものでしたら、もちろん躊躇うのですが、今回のものはどっちに転んでも大丈夫という確信はありました。
またそのうちアップします。
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trilobite.person (orm)
2024/04/27 - 編集済み4cm程度の大きさで、あのケラウルスの標本に雰囲気が似ていて、ktrさんの好みの系統で、かつ保護剤を塗布する必要のありそうな産地で、、という情報から種を予想しようとしたのですが、やっぱり無理でした。
いずれのビフォアアフターの写真紹介を楽しみにしています。
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ktr
2024/04/27思わせぶりな書き方をしてしまって申し訳ありません。
そんなに珍しいものではなく、私の持っている図鑑類すべてに(近縁種も含めれば)載っているものなので、現物を見れば、なあんだ、ということになりそうです。
ormさんももしかしたらお持ちかも。
雰囲気としては、この前アップしたコヌラリアに似ています。
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