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Richard Hell and the Voidoids “Blank Generation”
何を今更、と言うことなかれ。「Richard 地獄と空虚っぱい」のファースト・アルバムです。まあ、当時は良く聴いてましたよ。この時のメンバーは、Richard Hell (Vo, B), Marc Bell (Drs), Robert Quine (G, Backing Vo ), Ivan Julliard (G, Backing Vo)の4ピースです。Hellは元々、Televisionとその前進Neon BoysはたまたThe Heart Breakersにも在籍したいましたが、このVoidoidsが自身による初のリーダーバンドとなりました。Malcolm McLarenが彼等の風貌や音楽を見聞きして、アイデアが思い浮かび、それを英国に持ち帰って、プロモートしたのが、英国のパンクバンドSex Pistolsであることは有名ですね。本名、Richard Meyersですが、Television時代にRichard Hellと呼び名を変えています。その後、HellはNew York DollsのJohnny Thundersと共にThe Heart Breakersを結成しますが、割と直ぐに脱退し、1976年初頭より、Voidoidsのメンバーを探します。彼は、ギタリストとして、同じ本屋でバイトをしていたRobert Quineと、Ivan Julianを探し出します。それでドラムはVillage Voiceのメン募からMarc Bellを選ひ、これでバンド、Richard Hell and the Voidoidsが誕生します。それで、Hellは新しく曲を書き始めますが、彼のインスピレーションは意外かもしれませんが、Bob Dylan, the Rolling Stones, the Beatles, he Stooges或いはthe Velvet Undergroundから得ていたようです。また、彼等は、the SeedsやCount Fiveなどのガレージ・ロックのカバーもやっていました。その為か、後付けで、彼等の音楽はArt Punkとも呼ばれたみたいです。既に、Television時代に書いていた”Blank Generation”を正式なレパートリーとし、1976年にOrk Recordsより7㌅シングルとしてリリースします。それがアンダーグラウンドでヒットし、Sire Recordsと契約します。それでリリースされたのが、彼等のファースト・アルバムで本作品である”Blank Generation”です。内容はヘナヘナのHellのVoに対して、ツインのギターがマジカルに絡む、紛れもない「ロックンロール」です。Hellのちゃんと歌ってのも怪しい、ヘロヘロのヴォーカルは彼しか出せない味ですね。また、QuineとIvanのギターも絡み具合も程良く、独特のテンションを醸し出しいますね。勿論、B1 “Blank Generation”は名曲ですが、やや長尺のB4 “Another World”も捨てがたいです。そんな、ニューヨークの地下で生まれたパンクとは言えないかもしれないパンクバンドRichard Hell and the Voidoidsのファーストはロックを語る上でマストですので、是非未聴の方は聴いてみてください❗️ “Blank Generation” https://youtu.be/v9FkQLjOSZ8 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLnHqsp4IJU3OR88eEf74Yldys9pX8piX0 #RichardHellAndTheVoidoids #BlankGeneration. #SireRecords #Punk #Originator #FirstAlbum #RichardHell #RobertQuine #IvanJulian #MarcBell #Television #TheHeartBreakers #NewYork
Punk Sire Records 不明。Dr K2
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Magazine “Real Life”
前回、サードアルバムを紹介しました、英国のMagazineのファースト・アルバム”Real Life”です。実は、サードよりもこのアルバムの方を良く聴いてましたねぇ。まあ、大体のバンドはファーストが良いこと多いですが、、。Magazineのバイオグラフィーは前回のを参考にして下さい。この時のメンバーは、Howard Devoto (Vo), Barry Adamson (B), Dave Formula (Kbd), Martin Jackson (Drs), John McGeoch (G, Sax)です。やはり勢いはありますね。シングルカットされている”Shot By Both Sides”は、Buzzcocksの曲”LiosticksのメロディにDevotoが歌詞を付けたみたいです。他にも、Buzzcocks時代の曲として”The Light Pours Out Of Me”も収録されてます。Devotoのヴォーカルは、粘着質で、耽美的かつエロティックな歌い方なので、好き嫌いが分かれるとは思いますが、Fomulaのキーボード(主にシンセ)とMcGeochのギターのバランスが程々で良い感じにプレンドされています。なので、1978年の当時としては、既にパンクからは離れ、独自のニューウェーブに進化してます。当時の評論家から「Roxy MusicとVelvet Undergroundの融合」と表されていたのも納得です。また、バンドメンバー個々人の演奏力も充分あり、他の同時代のバンドとは一線を画していました。そんな時代を先取りしていたMagazineのファースト・アルバムを是非聴いてみてください❗️ “Shot By Both Sides” https://youtu.be/Qu3R-H5on1s [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLOJWuc3CN300h7u5JQBMPEdOfcKfdBVMx #Magazine #RealLife #VirginRecords #NewWave #PostPunk #Ex-Buzzcocks #HowardDevoto #BarryAdamson #DaveFormula #MartinJackson #JohnMcGeoch #FirstAlbum #RoxyMusic #VelvetUnderground
Post Punk / New Wave Virgin Records 不明。Dr K2
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Patti Smith Group “Easter”
Patti Smithとしては3作目、Patti Smith Groupとしては2作目になるアルバムが、この”Easter”です❗️メンバーはPatti Smith (Vo, G), Lanny Kaye (G, B), Ivan Kral (B, G), Jay Dee Daugherty (Dr), Richard Sohl (Piano)です。前回、バイオグラフィーはこの頃までは書きましたので、省略しますが、少しだけ追加を。1977年1月23日に”Radio Ethiopia”ツアー中、Floridaで、Pattiがステージから落下、頸椎を骨折。この時のリハビリ期間が、彼女の充電期間にもなり、彼女は自分の人生を見直したみたいです。それで、Patti Smith Groupは1970年代終わりに更に2枚のアルバムをリリースします。それが、本作品”Easter”(1978年)と”Wave”(1979年)です。ただ、後者はCMでも掛かっていましたが、それ程売れませんでした。それに対して、本作品からシングルカットされた”Because The Night”が、Bruce Springsteenとの共作でもあった為か、商業的には最も成功します。それで、本作品について書いてみますね。このアルバムでは、Richard Sohlは彼の病気の為、フルでは参加しておらず、ヘルプでBruce BrodyがKbdで参加しています。また、A2”Space Monkey”ではBlue Öyster CultのKbd奏者Allen Lanierが参加しています。確かに”Because The Night”は良い曲ですし、キャッチーですが、意外に他の曲も良い曲が多く、楽しめますね。ライブでのスポークン・ワーズから成る”Babelogue”からノリの良い”Rock’N’Roll Nigger”(こんなタイトル、付けられるのはPattiだからこそですね)への繋がりはゾクゾクしますね。B1”Privilege (Set Me Free)”もシングルカットされてますが、Pattiのヴォーカルの振幅と言うかメリハリがイカしてます。“25th Floor”〜”High On Rebellion”の繋ぎもノリの良いロックンロールとPattiのヴォーカルがバッチリで、かっこいいです。最後に”Easter”でしっとりと決めています。そんなカッコいいチューンが詰まったアルバム、どうですがか?聴きたくなったでしよう。聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/H2TBzDjc-gM #PattiSmithGroup #Easter #AristaRecords #Poetry #Rock’N’Roll #BecauseTheNight #LannyKaye #IvanKral #JayDeeDaugherty #RichardSohl #BruceBrody
NY Punk Arista Records 不明Dr K2
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Test Dept. “Compulsion”
以前にも紹介したTest Dept.(通称「テスト・デブト」)の12㌅EP”Compulsion”です。「英国のEinstürzende Neubauten」とも呼ばれてた彼等ですが、私は個人的に根っこが異なると思っています。Einstürzende Neubautenが仕方なく楽器の代わりに色んな奏法でメタパーを使っていたのに対して、Test Dept.は明らかに最初からメタパー在りきで使っていたように感じられたからです。まあ、それはそれとして、彼等のバイオグラフィーは前回書きましたので、補足だけ。コア・メンバーは、Graham Cunnington, Paul Jamrozy, Jonathan Toby Burdon, Paul Hines 及びAngus Farquharで、他のメンバーは基本、現地調達です。また、スライドや映像などのヴィジュアル担当に Brett Turnbullがいます。彼等は通常のクラブやライブハウスではなく、古いお城や駅の跡などの特殊な場所でライブを行なっています。その後、1990年代となると、バンドはインダストリアルな風味が薄れて、テクノの手法を取り入れていきます。1994年に、刑事司法及び公共の秩序法が通過したことで、バンドの政治的な立場は更に強固なものになっています。しかしながら、1997年にバンドは解散していますが、一部のメンバーはアートや文化の分野で活動を続けています。そして、2014年にバンドはTest Dept Reduxとして再編成されています。メンバーはZel Kaute, David Altweger, Charles Poulet, で、より大きな場所で演奏する時にはAshley Davies, Rob Lewis, Alex NymとFranziska Anna Faustが加わります。Test Dept Reduxは2016年にギグを行っており、2019年に最新アルバム”Disturbance”をリリースしています。ザックリとこんな感じです。 それで本作品の内容ですが、元々の彼等のスタイルである落ちてる金属屑(メタル・ジャンク)を集めて、メタパーとして叩きまくるのは勿論、気合の入ったヴォーカルも聴けます。ただドラムのパターンが所謂4つ打ちで、EBM様のダンス曲風になっています。また、B面ではシーケンサーも使っており、明らかにテクノ的楽曲になっています。それを良しとするか駄目とするがは聴き手側の好みですね。メタパーを使うグループの多くがこのような方向に向かうのも宜なるかなですなぁ。と言う訳で進化したTest Deptを是非とも聴いてみて下さい。 “Compulsion (Machine Run)” https://youtu.be/Z8aJME6to30 #TestDept. #Compulsion #SomeBizarre #MetalPercussions #Sequence #12inchEP #Rhythm #Industrial #Techno
Industrial Some Bizarre 不明。Dr K2
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Guru Guru “UFO”
さてさてきましたよ、独逸が世界に誇るヘビーサイケなバンドGuru Guru (この名称は独逸語でカエルの鳴き声「ゲロゲロ」とのこと)の登場です。買ってたのすっかり忘れてました。このバンドは元々、The Irene Schweizer Trioと言うフリージャズのトリオにいたドラム魔人Mani Neumeierがフリージャズはもう飽きたと言って、ベースのUli Trepte を誘って、1968年に結成したGuru Guru Groove Bandが母体になっています。その頃はめちゃくちゃ喧しくて、初期のライブのいくつかは「社会主義ドイツ学生連盟」がサポートしてました。初代ギターはEddy Naegeliでしたが、米国人のJim Kennedyに交代、しかしかJimも健康上の理由でステージ上で倒れた為、1970年に元Agitation FreeのAx Genrichに代わり、ヴォーカルを無理矢理ギターに代えて鉄壁のトリオが生まれ、名前を短縮してGuru Guruになりました。その頃はJimi Hendrix & The ExperienceやCreamと並び称されるように人気があったようです。それでその年1970年にファースト・アルバムである本作”UFO”を西ベルリンの独逸ロック専門のレーベルOhrからリリースします。その後のことはちょっと省きますが、1996年に初来日した時に、Maniは「グルグル」と言う言葉は日本語で「回転」を意味すると初めて知ったとか。それ以来、度々、ソロでも来日しています。なお、バンドの方もメンバーを替えながら、彼を中心に現在も続いているみたいです。 それで本アルバムですが、基本的にはロックのジャム・セッションから成るみたいで、ドラムは叩きまくり、ギターはギュイーンとファズかけて弾きまくってます。ベースはこれらの音がバラバラにならない様に一生懸命キープしたり、ぶち壊すかの様に弾きまくったり。ヴォーカルもあることはあるのですが、殆ど呟きにしか聞こえないですね。基本、インスト・バンドとして考えた方がいいです。A面までは、ノリみたいなものが感じられ、特にA-2”Girl Call”からA-3”Next Time See You At The Dalai Lhama”の繋ぎはカッコいいです。なお、クレジットを見ると、ラジオとかコンタクトマイクとかテープとかも使っているみたいです。それらを使って、B面は更に混沌としていきます。特に表題曲B-1”UFO”は面白いです、「コイツら楽器、演奏する気があるのか?」と言った意味で。これも彼等のジャム・セッションなんでしようね。そんな彼等の混沌を是非堪能してください。 https://youtu.be/4mmK6etUMQ0 #GuruGuru #UFO #Ohr #GermanRock #HeavyPsyche #ManiNeumeuer #UliTrepte #AxGenrich
German Rock Ohr 不明Dr K2
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Kraftwerk “The Man Machine (人間解体)”
またまた出ました!Kraftwerkの登場です。彼らの中でも国内盤が出て、丁度、テクノポップの興隆ともマッチしてた邦題「人間解体」こと”The Man Machine”です。彼らの単独アルバムとしては7枚目のアルバムになります。バイオグラフィーは以前に書いておりますので、そちらを参考にしてください。この時のメンバーはFlorian Schneider (Vo, Electronics), Ralf Hütter (Vo, Electronics). Karl Bartos (Electronic Perc), Wolfgang Flür (Electronic Perc)と言う最強の布陣です。また録音は彼らのスタジオKlangkling Studioで行われています。この作品には彼らの代表曲”The Model”や”The Robots”も含まれており、特に、前者はヒカシューやBig Black, Snakefingerらによってもカバーされていますので、そちらで知った方もいるかと思います。彼らはアルバムの制作に何年もかけることは、よく知られていますが、多分、一つの主題となるメロディを練りに練って作っていき、アレンジも凝りに凝っていきながらも更に単純化しているからでは想像します(この時間の掛け方に嫌気がさしたKarl Bartosは後に脱退します)。それで本作ですが、全6曲、珠玉のシンセによるポップミュージックが収められています。平沢某が言うには「プログレとしては最低、テクノとしては最高」と言ってますが、その通りだと思います。Kraftwerkの音楽って一見誰でもできそうな位、単純なメロディなのですが、それを一曲にするまでには、相当時間を使って、音色などの設定なとも含めたアレンジを試行錯誤しているのでは?と想像します。それにしても本作のコンセプトは凄いですね。ジャケ写も「ロシア・アヴァンギャルドで決まってます!この作品毎に明確なコンセプトを切り替えて、練り込んだ曲を作るスタイルは、唯一無比ですね。そんな彼らの音楽を、今一度聴きなおしてはどうですか?因みに、首謀者の1人であるFlorian Schneiderは2020年4月21(日)に癌で亡くなっています。 A1 “The Robots” (6:12) A2 “Spacelab” (5:52) A3 “Metropolis” (6:01) B1 “The Model” (3:36) B2 “Neon Lights” (8:52) B3 “The Man·Machine” (5:31) https://youtu.be/wl-eVipq5cE?si=Xq8aBWrhhy--fa6p [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLRp2a3r7tvpd3NpB_CwUbOoLxRgY4CwHh&si=Ge-2RwqtvZ4GgoC3 #Kraftwerk #TheManMachine #Capitol #EMI #日本盤 #Techno #Progressive #Synthesizers #ElectronicPercussions #Vocoder #FlorianSchneider #RalfHütter #KarlBartos #WolfgangFlür
Techno pop Capitol Records / EMI 2500円Dr K2
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The Ritual Orchestra and Chants “Tibetan Buddhism”
私のもう一つのルーツでもある民族音楽シリーズ。その中でも、大のお気に入りの一つが、チベット仏教の音楽です❗️いつもなら、小泉文夫氏のシリーズなんですが、今回はDavid Lewistonによる録音アルバムです。解説はDavidとらLobsang Lhalungpaが担当してます。演奏(?)はインドのHimachal Pradesh州Tashi Jong地区のPal Phuntsok Chokorling寺で、Drukpa Kagyu派の僧侶達によるもので、一言で言うと「凄い」です❗️あと、私は中学・高校6年コースの私立の学校に通っていたのですが、その学校は仏教関係の学校でもあり、中学から6年間、浄土真宗を中心に仏教の授業がありました(勿論、中間/期末テストもある)。その関係もあるのでしようか、何とはなく、染みついているんですよね、仏教関係の事柄が。勿論、日本に伝わって、日本人向けに改良されてきた仏教音楽とは、全く独自の進化を経たチベットの仏教音楽は違いますが、ペースとして、持っているものに惹かれるんですよ。ここで、Drukpa Kagyu派とかチベット仏教の内容について書いてもいいのですが、そう言う知識無しに、純数に「音楽」として聴いて貰える方がよろしいかと思いますので、簡単に音楽的なことだけ。タイトル通りに、使わる楽器は、先ずは声明(所謂、声と言うか念仏?)、そして、リード楽器(gyaling)、太鼓(nga)、ホルン(bubak)、巨大なベル(dungchen)、ほら貝(dungkar)、シンバル(selnyen)、ハンドベル(drulibu)そしてPsychic TVでも有名になったヒトの大腿骨で出来たトランペット(kangling)やヒト胎児の頭蓋骨を二つ使った振り太鼓(damaru)などで構成されています(最近はkanglingやdamaruは代用品になってるそうです)。また、面白いと思ったのは、声明のコンダクターとしてuzayがおり、また、声明と演奏の全てを統括するインストラクターとしてloponがいることです。ここに収められているのは長尺の3曲で、何も密教儀式の音楽となっています。演奏を間違えるとインストラクターの咳払いと共にけたたましい打楽器などの音によって、叱正されるらしく、若い僧侶は大変みたいです。そして、その内容についてですが、正直、このアルバムを聴いた時は、ぶっ飛びました。主に中低音から成るタントラの声明が押し殺したように歌われる中、太鼓などが時に割り込んできたり、またはリズミックに鳴らされたりし、ほら貝やシンバルなどが突然、暴れる様に演奏されたりと、コントラストが鮮明になって続く流れは、異常な程の緊張感があったからです。Psychic TVの時はピンとは来なかったんですが、これはぞくぞくしましたねぇ。やはり、本物は違うのか? また、ここに収められている曲は、逆にCoilやCurrent 93なんかが束になってかかっても、足元にも及ばない位、凄いです。これは騙されたと思って、聴いてみて下さい。本物の”Ritual music”ですから❗️しかも、この録音に参加しているKhamtul Kinpoche氏は活仏としてもコンダクターとしても有名な人物で、多くの信者が拝みにくる僧侶で、そう言う意味でも奇跡の録音と言えるでしよう。 同じ録音はYiuTubeに無かったので、同じ宗派の音楽を https://youtu.be/en312YYZrgI #DavidLewiston #TheRitualOrchestraandChants #TibetanBuddhism #TraditionalMusic #DrukpaKagyuOrder #KhamtulKinpoche
Traditional Nonesuch 不明Dr K2
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Emerson, Lake & Palmer “Tarkus”
珍しくプログレの紹介です。今回は皆んな知ってるEmerson, Lake & Palmer (ELP)の作品”Tarkus”です。このバンドも私が紹介する必要も無い程、有名ですが、まあ、極々簡単にバイオグラフィーを書いておきます。メンバーはKieth Emerson (Kbd, Synth), Greg Lake (Vo, B, G)とCarl Palmer (Dr)のキーボード・トリオで,結成は1970年です。各人が、それぞれ当時、有名であったグループから参加していることからスーパーグループと呼ばれていました。Kiethは元The Nice、Greg Lakeは元King Crimsonで、元々はこの2人がコアとなって,Atomic RoosterのCarl Palmerをスカウトして、 1970年に結成されています。それまで、ロックの世界ではギターがメインの楽器と考えられていましたが、ELPはその既成概念を崩すかの様に、パーカッシブなオルガン演奏とリズム隊で、先鋒を切り、多くのキーボード・トリオの見本になります。それと、それまでは、多くのキーボード奏者はシンセサイザーは実際にライブで演奏する楽器とは考えられておらず、宅録の為の機材と考えられており、またミュージック・コンクレートなどでしか使われないものとの認識していましたが、Gregの提案で、KiethはMoogシンセの導入を試み、画期的な演奏方法を開発、ロック・バンドにおけるシンササイザーの位置を獲得させる先駆となりました。特に、リボン・コントローラーを用いた奏法などは特徴的です。また、オルガンをギターアンプに繋いだり、オルガンで持続音を出す為に、鍵盤にナイフを刺したりと、魅せる演出も開発しています。そして、彼等は1970年にファーストアルバムを発表。その後、セカンドアルバムである本作品をリリース、本格的にシンセを導入したロックアルバムとして、高い評価を受け、メロディ・メイカー誌で首位を獲得しています。翌年、ライブ録音されていた「展覧会の絵」がサードアルバムとしてリリースされ、英国・欧州ツアーや米国ツアーもこなしています。1974年に一時ELPとしての活動を停止し、Kiethはソロ&GregとCarlの形でアルバム「ELP四部作」を1977年にリリースしていますが、1980年2月にELPは正式に解散を表明します。その後、各人はソロ活動を開始。2010年7月15日に一夜限りの再結成ライブが行われますが、その後、2016年3月にKiethが、同年12月にGregが癌で死亡してしまいます。ザッとこの様な経歴となります。 それで,本作品”Tarkus”ですが、このアルバムはKiethのパーカッシブてややダーティなオルガンの演奏と唸りまくるMoogシンセがかっこ良いのは勿論ですが、Gregのベースが骨太で,変拍子も含めて、ずば抜けたグルーヴを出していることも特筆すべき特徴だと思います。特にA面全部を使って組曲風にアレンジされたタイトル曲はカッコいいです。ここら辺のキーボードの演奏は、意外とThe StranglersのDave Greenfield等にも影響を与えている様にも思えます(勿論、タイプは違いますが)。B面ではKiethのホンキートンクなピアノ演奏も聴ける曲”Are You Ready, Eddy?”もありますが、小曲が6曲収められています。その為か、B面はよく言えば「ヴァラエティに飛んでる」とも、悪く言えば「散漫な印象」とも言えますね。個人的にはこのアルバムはA面推しですね。久しぶりに聴きましたが、このような音楽がメジャーだったシーンがあったのか!と感慨深いものがありますね。皆さんも、もし興味がありましたら、聴いてみて下さい。 https://youtu.be/WKNOlDtZluU #ELP #KiethEmerson #GragLake #CarlPalmer #Tarkus #ProgressiveRock #MoogSynthesizer #KeyboardTrio
Progressive Rock ATLANTIC Records 2000円Dr K2
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Savage Republic “Tragic Figures”
1980年代にフランスからポストパンクやインダストリアルを扱うレーベルSordide Sentimentalの第一弾としてリリースされたのが、このアメリカのSavage Republicです❗️このバンドは、元々、UCLAの学生であったBruce LicherとMark Erskineが1980年初頭に結成したAfrica Corpsを母体にして出来ました。この直後、前述のフランスのレーベルからのオファーがあり、ファーストアルバムである本作品をリリースしています。その時のメンバーはBruce Licher (G, B, Perc, Vo), Jackson Del Rey (Vo, G, Perc), Jeff Long (Vo, B, G), Mark Erskine (Dr, Perc, bongos, Vo)で、その後、Robert Loveless (Kbd, B, mandolin, Perc)加入したようですが、欧州ツアー後にLicherが抜けて、Ethan Port, Thom Fuhrmann, Greg Grunkeがメンバーとなり,2002年の再結成時には最終的にThom Fuhrmann, Ethan Port, Alan Waddington, Kerry Dowlingの4人組になりました。元々のバンドの首謀者であったLicherは自身のレーベルIndependent Project Recordsを一貫して運営しており、本作品も最初は自身のレーベルから1982年にリリースしていました。その後、欧州ツアーの時にSordide Sentimentalからリイシューの依頼を受けて、再発されたと言う経緯です。また、その後の1983年に"Film Noir"と言うシングルを出すのですが、この曲は、ギリシャ人監督Mikis Theodorakisの映像作品"O Andonis"に使われており、これで世界的な評価を受けることになります。その後も、多少のメンバーチェンジもありましたが、マイペースで活動しており、8枚目のアルバム”Jamahiriya Democratique et Populaire de Sauvage”をリリースする直前の1988年にBrad Lanerが加入していますが、1990年にバンドは一旦解散してしまいます。再結成は2002年にLicherを中心に行われますが、前述のように、ツアー後、Licherは脱退します。その後も、作品はリリースされて、今でも活動しているとのこと。 それで本作品についてですが、メンバーの担当楽器やその前身バンド名から分かると思いますが、パーカッシヴで、かなりトライバルな音楽をやっています。ここら辺はアメリカのHaunting LodgeやCrash Worshipなどとも共通性があると思われます。勿論、前述のパーカッションと言うのはメタパーで、久しぶりに聴き直しましたが、ベースのゴリゴリした音と共に、メタパーの乱打がトライバルにドライブするカッコいい音楽です。本作ではそんなに感じないのですが,中東風のメロディもポイントかと。当時のTrouser Pressでは「ドラッギーなベース音から成るマシンリズムにインダストリアルなドローン音が絡まった音楽で、丁度、ハロウィンのホラー映画での叫び声や、民族的或いは南国風パーカッションが盤面に刻み込まれている。」と評されていました。A面よりB面の方が、実験的ですね。でもA面1曲目のドライブするリズムがかっこいいです。そんなカッコいいアルバムなんですが、日本ではあんまり人気ないのが残念です。この機会に、是非聴いてみてください。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLpJ4hSKuh3nVynMQ7DB6HLRrnqHoY5hFO #SavageRepublic #TragicFigures #SordideSemtimental #Industrial #Tribal #IndependentProjectRecords
Industrial, Alternative Sordide Sentimental (Independent Project Record) 不明Dr K2