朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 潤二の恐怖夜話③ 墓標の町

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平成6年11月20日第1刷発行
発行所 株式会社朝日ソノラマ

平成6年(1994年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 潤二の恐怖夜話③ 墓標の町」です。
少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「潤二の恐怖夜話」から2編、そして、「ハロウィン」と「眠れぬ夜の奇妙な話」に掲載された2編を収録した作品集です。収録作品は「潤二の恐怖夜話〈第6夜〉肉色の怪」「潤二の恐怖夜話〈第7夜〉墓標の町」「許し」「アイスクリームバス」の4編。
道路の真ん中や家の中、場所を問わず至る所に墓が立っている奇妙な町。そこは死んだ人間がその場所で石柱化し、やがて墓標に変化するという奇妙な風土の町だった...
伊藤潤二ならではの奇想が冴えに冴え渡っている表題作「墓標の町」。死んだ人間がその場所で墓標となるという奇想もさることながら、ストーリー展開のほうも構成が上手くて、主人公兄妹が犯したひき逃げ事件(しかも被害者は妹の親友の妹)のサスペンスも加わって、グイグイと引き込まれます。主人公兄を襲ったおぞましい因果応報、そして、悲劇的なラスト。湿り気をたっぷりと含んでいる日本の怪談のような味わいがある作品です。あと、「肉色の怪」も好きですね。ホラーの定番モチーフの一つである“人体模型”から発想された作品だと思うんですが、“美”への妄執に取り憑かれた女の狂気と組み合わせて如何にも作者らしい世界観になっているのはさすが。

#ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ

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