残菊物語 BLU-RAY

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溝口健二の最高傑作とも言われる「残菊物語」1939年公開。溝口監督作品の『芸道三部作』の一つとして知られているが、他の「浪花女」「芸道一台男」はフィルムがないため観れない。本作は、溝口作品の中で、ほぼ全てが現存する数少ない戦前作品となる。(146分中143分現存)
2015年度カンヌ国際映画祭クラシック部門でワールドプレミア上映されたデジタル修復版。
修復は4Kスキャン、2K修復、2KDCP制作。
音声はリニアPCMのモノラル。

明治時代初期の東京。人気が出て天狗になっていた二代目・尾上菊之助(花柳章太郎)は、義弟の若い乳母お徳(森赫子)に自分の芸を批判され、そこで自身の名声が義父である五代目・尾上菊五郎(河原崎権十郎)の威光によるだけのものと気づかされる。
やがて菊之助とお徳は心通わせるようになっていくが、周囲は身分違いの恋を危惧してお徳を追い出してしまう。絶望した菊之助は家を出て、大阪に出て芸を磨こうとするが、現実を突き付けられ絶望する。そんな時、お徳が現れ二人三脚の生活が始まり芸を磨いていく。

当時日本のフィルム保存はとても雑であったためフィルムの傷みが激しくリマスターされたとは言え評価し難い。
しかし、4:3の画角の中での縦の構図が本当に美しいし、長回しによる緊張感やそこの空気感さえも感じられる。画質が悪くても勝手に惹きつけられてしまう。4:3という狭い画角だからこそスクリーンで観る価値が大きい。
音声は特に歌舞伎のシーンでのノイズが大きい。
古い作品になると現代のオーディオシステムでは聴き取り辛い音声もビンテージシステム《コントロールアンプ(マッキントッシュC26)、パワーアンプ(アルテック1568A)、スピーカー(JBL D131初期型)》で視聴すると明瞭でストレスレスなのだが、本作はそれでも聴き取り辛い。
しかし、本作はクライテリオン盤も同じマスターを使用されているようなので、これが限界だったんだと納得。

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