気分に浸る。

これはホットウィールの72'フォード・グラン・トリノ。

個人的にこのグラン・トリノが私の手持ちの3インチサイズのミニカーでは、一番のお気に入りの物だと思います。

何でもこのホットウィールのグラン・トリノは、映画ワイルドスピードに出てくる劇中車のセットの中の一台らしいのだが、私としてはグラン・トリノと言えば、やはりこちらの映画のイメージその物だ。

クリント・イーストウッドの俳優としての最期の作品。「グラン・トリノ」。

車名がそのまま映画となっているが、映画の内容としてもとても良い映画だと思います。

映画ファンの中では、「結局家族仲は悪いままで何も救われちゃいない。」とか、「無駄な性描写とも取れる演出は要らない。」だとか、色々と言う方がみえますが、個人的にはイーストウッドなりの、現代のアメリカに対するたっぷりの皮肉を込めたアンチテーゼでもあり、罪の意識を背負ったまま孤独に生きる一人の老人の人生のケジメの付け方。みたいな意味合いの大きな映画かと思います。

そんな映画グラン・トリノの中では、朝鮮戦争の退役軍人で有る、イーストウッド演ずるコワルスキーが、頻繁にM1ガーランドライフルとM1911A1ピストルを手にしております。

中でも映画の終盤に、自宅内でM1911A1の分解掃除をしているシーンが傍目に映るのですが、ガンマニアにとっての古からの聖なる儀式？として、「好きな映画の主役の手に握られているガンと同じモデルガンを弄りながら、映画を鑑賞する。」と言う、行為が有ります。

これは今主流の6ミリBB弾を発射するエアーガンでは、どうにもこの儀式の気分に浸り切れず、やはり実銃の構造に近い仕組みのモデルガンで無いと映画の主役の気分に浸れないのです（笑）。

これはマルシンと言うメーカーのモデルガンのコルトM1911A1と言うピストルで、グラン・トリノの主役で有る、朝鮮戦争の退役軍人のコワルスキーがズボンの中に無造作に突っ込んでいたり、下町のストリートギャングの若者達に突き付けたりと、頻繁に出てくるピストルと同型式のピストルです。

元々米軍の制式拳銃として、古くから日本でも「コルト・ガバメント」ピストルとして、馴染み深い拳銃ですので、上記の画像の様に米軍のショルダーホルスターにも、このM1911A1用に作られた物が幾つも有り、M1911A1のモデルガンやエアーガンで、実銃と同寸法の物で有れば、すんなりと実銃用に作られたホルスターにも収まります。

このマルシンのモデルガンのM1911A1は、元の製造年代が古い物なので、正直今のエアーガンよりも見た目の細かい所の再現度に関しては、ツッコミどころ満載の甘い作りでは有ります。

ですが、モデルガンは実銃に近い構造で、発射機能を一切持たない「安全な銃の玩具」なので、分解した際の部品の構成は本物にかなり近いのです。

これが、フィールドストリッピング「簡易分解の事。」をしたモデルガンのM1911A1。

部品の形状はかなり実銃に近く、リアルな物です。

エアーガンの場合も近年はかなりリアルにはなって来てはおりますが、やはりモデルガンに比べると一歩劣ると言わざるを得ません。

分解して、パーツを磨いて再び組み上げる。

そんな意味の無い行為に、得も言われぬ喜びを感じる事が出来るのは、男としてこの世に生を受けたからか？

アクション映画の主役が堪えに堪えた怒りが遂には爆発して、巨悪とガンを手に戦う。

そんなシーンの主役の手で、マズルフラッシュが炸裂する光景は、エアーガンでは決して味わえない。

発射機能は皆無だが、火薬で発火させてブローバックして楽しみ、撃った後は分解して隅々までクリーニングしてやる楽しみ。

それはやはりモデルガンでしか味わえない光景で有り、世界感なのだと思う。

「気分に浸る」。

きっと男だけに許される、至高の時間を楽しめる事を人生の喜びだと思う私でした（笑）。

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