楽焼の火鉢 20231112

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自宅前の家屋を解体していた業者が、この火鉢だけは最後まで潰さずに残されていた。ぱっと見、良い物に見えたのかも知れない。汚いと言えば汚いし、良い物と思えば良い物にも見える。この火鉢が、どう言う訳かこの業者、僕の家の前にこの火鉢を置いて撤退して行った。ユンボでバリバリ壊していたのに、この火鉢には傷一つ無く大事に扱ったみたい。きっと解体で迷惑かけたら、そのお礼のつもりだったのかも知れない。
 せっかく頂いたから、きれいに洗ってみた。遠目には信楽かなとは思っていたけど、上部は楽焼の植木鉢で、下部の黒の台部分は楽よりも堅く焼かれていて、それらをくっ付けて火鉢にした物らしい。
 火鉢部分は軟らかいため、捻り返しの縁の部分の上面は釉が剥げてしまっている。植木鉢と判断したのは、底に穴が開いているから。そして多分、轆轤は手回しか蹴り轆轤での成型、台部分は電気轆轤での成型のようだから、植木鉢を後に火鉢に作り直した可能性が高い。これは、案外、風流人の特別制作品かも知れない。そう思っておこう(笑)

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