- Sekisentei Japanese Mineral Museum
- 27F 兵庫県 Hyogo Pref.
- 紅砒ニッケル鉱 (nickeline) 夏梅鉱山 #0719
紅砒ニッケル鉱 (nickeline) 夏梅鉱山 #0719
蛇紋岩中に産出した短径約3.5cm、長径約4.5cmの団塊状の鉱石で、研磨された切断面に淡銅赤色の紅砒ニッケル鉱と、鋼灰色のゲルスドルフ鉱(硫砒ニッケル鉱)による同心円状の塁帯構造が見られます。(背景はソフトウエア処理しています。)
兵庫県養父市には約4.5億年前の古生代オルドビス紀に形成された、ほとんどが超苦鉄質(=シリカ~二酸化ケイ素~の含有量が45%以下)の岩石からなる関宮岩体が分布しています。夏梅(なつめ)鉱山は関宮岩体中の鉄-ニッケル鉱床で、原岩である橄欖岩の一種であるハルツバージャイト(橄欖岩を50%以上含む岩石のうち、斜方輝石に富むもの)が蛇紋岩化するのに伴ってNiが濃集し、断層粘土層中に特徴的な団塊状のニッケル鉱物を産出しました。国内最大手のニッケル鉱山であった近隣の大屋鉱山と共に国の重要鉱物増産奨励金による受託事業に指定され、1942年(昭和17年)7月以降は国策会社である帝国鉱業開発株式会社による受託経営に移りましたが、1945(昭和20)年の終戦と共に閉山しました。
