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英国19世紀末の魚を模した白蝶貝の糸巻き
英国19世紀、白蝶貝でできた魚型の糸巻き。 投稿日の本日は七夕なので、織姫の機織りから糸にまつわるアンティークを。 アンティークの素材としてよくある、マザーオブパール(真珠貝の母貝)を加工したもので、細かく目や鱗が彫られている。 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/140?theme_id=36293 ※以前投稿した、貴重なジョージアン時代の白蝶貝のナイフはこちら。 とぼけた顔と細長いボディが、なんかペットの南米淡水フグ(7枚目)っぽいなと。 オークションで「アミュレット(お守り)」では?と書いてあったのだけど、Twitterで「魚 白蝶貝 アンティーク」などで検索したら、類似品がヒット。 https://twitter.com/lecurioarts/status/1173143278943752192?s=46&t=vTcyNDCMcA7fGWJaqCjwaw 当時、ヴィクトリア時代(19世紀末)の女性たちは1つの服を大事に着ていて、常に裁縫道具を持ち歩いてたのだとか。 裁縫道具のひとつとして、これに糸を巻いておき、外で服やボタンの糸がほつれたら対処したんでしょうね。 しかし、このような彫刻の入った糸巻きは珍しいアイテムなのだそう。 なんと、その投稿は以前にアンティークの蒸気機関の実験教材を購入した、高円寺のアンティークショップRECURIOだったので、不思議な縁も感じた。 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/90?theme_id=33615 なお、オークションの写真では、彫りに黒い汚れがついてたけど(3枚目)、自己責任で歯間ブラシ使って洗ったらピカピカに。 光が縞っぽい模様に見えるところも、ペットの南米淡水フグぽい(動画参照)。 https://instagram.com/p/CuZlmAES5kq/ さらに、ひっくり返して受け口にすると、トラフグぽさが増す(4枚目)。 薄くみえるけど、けっこう分厚くてしっかりしてるので、割れる心配はなさそう(5枚目)。 実は、価格はたったの千円ほどで。 アンティーク蒐集はお金かかる趣味だけど、たまに掘り出し物もあるのが面白い。 ちなみに、オークションの出品者はアンティークを専門に扱う人だったので物のバックグラウンドに興味があるかなと思い。 「糸巻きでしたよ、興味深いですね」とソースもとのTwitterも貼って伝えたら、感心してくれた。 アミュレットでも別にいいけど、実用的な道具のほうがより蒐集物としては好みなので、良い買い物をした。 #antique #victorian #アンティーク #博物蒐集 #博物趣味 #イギリス
アンティークの道具 ヤフオク(アンティークジュエリーのストア出品) 2023ofugutan
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エドワーディアン時代のローズウッドの棚
博物蒐集家としては、それを展示するキャビネットにもこだわりたくなってしまうのだ。 1900年頃の英国製。木目の美しさが愛されるローズウッドはアンティーク家具でも数が少ないうえ、現代ではワシントン条約の規制対象。輸入できるのは2017年以前に作られたものというので、希少度は増していくのではないか。 ローズウッドの家具というと、デンマークの60年代頃のビンテージ家具で見るが、脚は無垢だがほかは突板になっている。 デンマークのローズウッドの家具はこちらに掲載 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/89?theme_id=33623 それも数は減ってきているけど、さらにこちらは無垢の家具。ローズウッドの無垢の家具は現代で作るのはもう無理では。 非常に硬い特徴を生かし、この時代に作られたローズウッドのチェアやデスクなどは、このように細くて繊細な脚が特徴。緻密な材質なので、見た目以上にずっしり重い。 硬いので加工しにくいのにもかかわらず、天板と柱に細かい彫刻が入っているのが素晴らしい。 貴族的なデザインで一般の家に置きにくいものが多いアンティーク(英国の100年超え)のローズウッド家具だが、これは細工の細かさがありながら、現代で使いやすいデザインなのがいい。 当然10万超えの価格が普通なのだが、半分以下の価格で入手できたコレクターとしても嬉しい逸品。 同じエドワーディアン時代のドロワーの隣に並べている。エドワーディアンの家具時代、市場に出るの少ないんですよね。 #アンティーク #イギリス #エドワーディアン #博物 #博物趣味 #博物蒐集
アンティーク家具 ヤフオク出店のアンティーク家具ショップ 2020ofugutan
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ヴィクトリア時代のパルダリウムケース
19世紀の英国、ヴィクトリア時代のパルダリウム(小型の植物温室)。 今だとパルダリウムは、水槽に熱帯雨林や湿地帯を再現したものをさす。 しかし、もともとは19世紀頃の貴族の娯楽として作られた、小さな植物用温室のこと。つまりパルダリウムの語源のオリジナルアイテム。パリ万博にも出展されたという。 輸送するときに適温で植物をキープする役割も同時に兼ねていたのかも。 教会を模している。修復はあるものの、よくトップが残っていたものだと思う。 さらに、ガラスも前面(外せる)、側面ときちんと割れずに残っている。 なお、背面と底面は、ディスプレイケースとしても使えるようにと現代のアクリル板を切り出したものをつけてくれた。 確かにディスプレイケースになるが(ゴシックな物に合うだろう)、自分としてはやはり本来の使い方通りに植物を入れたい。 パルダリウムという判断のひとつ、底面に通気穴があいている(写真3枚目)。当時は台の上に置かれていたのだろう。 また、内部には植物を吊るせるフックがある(写真4枚目)。 博物蒐集をしていると、「これは一般的に欲しがられるもの」「これは自分だからこそ価値がわかるもの」に分かれるが、これは後者。 学生のときの専門は農学(植物)だし、植物も好きなんですよね。 しかも130年前の物でも実用的。ライトやヒーターやタイマーを設置すれば、植物温室として現代でもしっかり使える。 30センチキューブ水槽なみのボリュームなので、場所とる迷いはあったけど、実際に来ていいものだなと。 これまた、私の博物蒐集のモットーである当時の人の追体験をしたい欲も満たしてくれる。 #antique #イギリス #アンティーク #博物蒐集 #england #博物趣味 #園芸 #植物
博物 ヤフオク 2022ofugutan
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ジョージアン時代のマザーオブパールと銀の折り畳みナイフ
200年以上前の英国製、マザーオブパールと銀の折り畳みナイフ。 1800年前後、貴重なジョージアン時代のアンティークで、ジョージ3世の晩年からジョージ4世の統治頃(ジョージ3世→ジョージ4世→ウィリアム4世→ヴィクトリア女王)。 「ジョージ国王の横顔のマーク」と純銀製を示す「ライオン・パサントのマーク」が刻印されている(3枚目)。 以下の販売元のブログより。 http://gracefulantiques.blog51.fc2.com/blog-entry-1554.html ヨーロッパの人にとって果物が珍しく高価だった頃、貴族の間では「Myフルーツナイフ」で小振りの果物をカットして、そのまま食すのが小粋とされていたそう。 そこで見た目にも綺麗で、狩りや遊園など、どこでも携帯できる小型の折り畳めるフルーツナイフを持っていたのだとか。 個人の愛用品で使用頻度も高い道具なこと。 しかも純銀製の刃は薄く柔らかいので経年で曲がりやすく、ホルダーに収まらなくなって、閉じる事が出来ない物もあるというが、このナイフは完動品。 開閉のスプリングもしっかり効いていてゆるみなどなし。 すっきり折り畳めて、銀のブレードの曲がり、先端のカケ、折れ、スレや酷い変色、修理跡もなし。 古いジョージアンの装飾らしい、タガネによるブライト・カットが両サイドに。 ナイフの柄のマザーオブパールは真珠貝の貝殻の部分で、アクセサリーやペンの柄、聖書のカバーなどアンティークの細工物に使われる素材。こちらも割れなどがなく彫刻も美しい。 イニシャル入りの銀のプレートが象嵌(インレイ)してある妥協のない細かい造りに感動。 このナイフ、ぱっと見たときに凄く惹かれたが価格的(3万くらい)に悩んでいた。 しかし、実物は写真以上の美しさで買って良かったもの。 格好良くて美しい道具が好きなのだけど「銀のナイフ」って創作物で吸血鬼や精霊を倒す神聖武器な設定が多いから、中2心的に惹かれるものあり。 刃がとがれておらず、華奢なので林檎とか硬い果物を切るのは怖いので、桃など柔らかい果物の季節に実際にカットして果物を食べる貴族の追体験をやってみたい。 #antique #アンティーク #博物蒐集 #イギリス #道具 #ナイフ
アンティークの道具 Graceful Antique 2022ofugutan
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メカニカル・ガラス・スライド(金星の公転)
メカニカル・ガラススライドNo.4『金星の公転と満ち欠け』を表したもの。 イギリスで19世紀(推定1880s)に作られた、天体について学ぶための教材。 ガラスに手彩色で絵が描かれており、クランクをまわすと歯車じかけで回転する。 動画はこちら https://www.instagram.com/p/ClS1o6iLQtn/?igshid=YmMyMTA2M2Y= 天文アンティークの中でも好きなアイテムなのだが、市場に出るのは稀で、完動品だとなおさら。 1点物ではなく、同じナンバー=同テーマで複数つくられてはいるが、微妙にデザインが異なっているものも。 同じNo.4をメカニカル・ガラススライドの展示イベントと他ショップで見たことがあるが、周囲の星のキラキラがこんなに多くなかった。実際、この星の煌めきに惹かれて買ったのだ。 また、ほかで見たものはクランクの回転にあわせて太陽がぎらつくギミックがあったし(これがないのは残念)、地球からひかれた線と金星の軌道が接するとこや、太陽の裏側に金星がある位置にaやbで文字がふられていた。 それらは、地球からもっとも金星が高高度に見える、東方最大離角と西方最大離角の説明、太陽の裏側で金星が見えなくなる外合の説明に使ったのではないだろうか? メカニカル・ガラススライドはNo.3『潮の干満と月の満ち欠け』を過去に投稿。 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/96?theme_id=33900 そのほか1枚持っているが、恐らくこちらが1番古い。 ラベルや木枠も煤けや摩耗などが多いが、経年ならではの味も感じられる。多分ほかで見た同ナンバーのなかで古いバージョンとも予想。 ディスプレイ台兼灯りは専用に作られたもので、イベント『博物蒐集家の応接間』に出店していた名古屋の博物系アンティークショップ、ジョグラールで同時購入。 ただ、持ち帰ったときに何かの衝撃によるのか点灯せず、翌年のイベントで交換してもらうまで1年台としてだけ使っていた。 今だとメルキュール骨董店でLEDを使用したコンパクトで扱いやすく、低価格なディスプレイ台兼灯り(※)をメカニカル・ガラススライドとのセットで見たことあるんだけど。 ※前の投稿で、普通のアンティークガラススライドや鉱物ディスプレイに使っている『幻箱』の姉妹品 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/36?theme_id=33558 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/collection_rooms/3 やはり、スライドと同じイギリス製の白熱電球を使うということとアナログさが、雰囲気を増させる感じがする。 #博物蒐集 #天文趣味 #antique #博物趣味 #アンティーク #理科趣味 #稲垣足穂 #星のソムリエ
天文アンティーク ジョグラール(博物蒐集家の応接間) 2018ofugutan
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英国の古い三日月のクリップ
十三夜なので月を象ったものを。1920年代のイギリス製の真鍮でできたクリップ。 ネクタイピンのような形状なので、服や小物にとめるほか、文房具として紙ものをまとめるのにも使えて、なかなか汎用性が高いアイテム。 三日月が人の横顔になっているデザインのものは西洋でよく見られるので、ひとつ欲しかった。 ところで、その場合は写真のように月が右を向いている下弦の月なんですよね。 欠けていく月で、見えるのは夜明けなため、見たことのない人も多いのでは。 一般的に見る三日月は夕方に見える、満ちていく上弦の月です。 下弦の月のほうが神秘的な大人な雰囲気はあるかもしれませんね。 以下、稲垣足穂の『鉛筆奇談』より。 「君、お月さまって左向きと右向きとは随分ちがうね、この間あれに目鼻がついてあるわけがはじめてわかったよ。普段見る三日月というのは左向きだが、月も明方のやつ即ち右向きになるとね、左向きとはちがった谷や影のせいだろう、弓のうち側のところがギクシャクしてほんとうに横を向いた顔に見えるから妙だよ。宵の月なんか見ている奴は野暮で、あの男か女か子供かおじいさんかわからぬようなお月さまの横顔を見た西洋人は、たぶんドイツ人でそして明方に寝るような何かそんなしゃれた職業の男であったと思えるんだが」 ちなみに、入手はヤフオクからですが出品者は天文アンティークを複数だしており、こちらのガラススライドも過去に同じ方経由で入手しています。 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/39?theme_id=33558 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/74?theme_id=33558 #アンティーク #イギリス #博物蒐集
アクセサリー、文房具 ヤフオク 2022ofugutan
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アールデコの英国製の星の指輪
今日は七夕なので星のアイテムを。ベゼル(石座)が星型になっている珍しい指輪。1900年代初頭のイギリス製。 出品者は数多くの英国のアンティークリングを扱ってきたが、星型のベゼルは初めて見たとのこと。 星の中心には小さいダイヤモンド。材質は9kで中心はWG、周囲はYG。 水引きのような曲線があわさった細い指輪で、細身の指にきれいに収まるデザインになっている。 花や星など自然な物と曲線の組み合わせで、アールヌーボーぽさを感じる。 #アンティーク #イギリス #指輪 #アールデコ
アンティークジュエリー ヤフオク 2021ofugutan
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メカニカル・ガラス・スライド(月の満ち欠けと潮の干満)
19世紀末の英国の理科教材、メカニカル・ガラススライド。 クランクをまわすと、歯車が稼働。重なったガラスに手彩色で描かれた天体が動く。 動画はこちら。 https://www.instagram.com/ofugutan/p/CZHgiYLpM2P/?utm_medium=copy_link このレトロなクランクと、歯車で動くギミックが気に入り、天文アンティークの中で非常に欲しいと思っていたものの1つ。 種類がいくつかあり、これはNO.3「潮の干満」。クランクを動かすと、月が動く。満月と新月のときは、潮の満ち引きが大きいことを表している。 同じ数字のものはテーマは同じだが、ものによって若干細部の絵が異なっている。NO.3の場合、地球の色塗りが違うとか、月の影(海)が描かれてるなど。 スタンドは現代もので、アンティークショップのオリジナル品。 #天文 #理科 #サイエンス #アンティーク
天文アンティーク メルキュール骨董店(ナチュラルヒストリエ経由) 2019ofugutan