ティト・サイモン - ジス・マンディ・モーニング・フィーリング

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地味というと、このあたりのレゲエ好きに殺されそうだが、それでもやっぱり「誰これ?」なわけである。つまりこれらはノーザン・ソウル・レゲエなのだ。ジャマイカのレゲエでは無い。初期のUKレゲエである。タネを明かすと、実は日本で最初に紹介されたトロージャンのラインナップはトリオ・レコードからで、なぜかそのラインナップが見事にノーザン・ソウル・レゲエなのだ。今聞くと「えっ?これ、レゲエ?」という違和感が少しあるのはそれだけ日本にジャマイカン・レゲエが浸透した証でもある。だが俺は英国レゲエを聴くにあたりノーザン・ソウル・レゲエのセンスは避けて通れないと思う。何故か?それはこの後、アイランド・レコードがボブ・マーリィ&ウエラーズをディレクションする時、念頭にあったのは英国のノーザン・ソウル好きのキッズたちで、その頃のノーザン・ソウルはサザン・ソウル〜デトロイト・ソウルからシカゴへ人気が移りつつあった。そうなのである。ボブ・マーリィはカーティス・メーフィールドの影響を強く受けていた。この後続く英国のバンドレゲエのコンシャスネスは都会的で明らかにジャマイカン・ルーツとは色合いが異なる。それは英国ノーザン・ソウル・シーンにおけるシカゴ・ソウルのブームに呼応しているのだ。

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