1/72 ハセガワ 大日本帝國海軍 桜花
ハセガワ製、1/72スケールの桜花です。
実機は、大日本帝國海軍が大東亜戦争(太平洋戦争)中に開発した特殊滑空機です。神風特別攻撃隊で使用された零式艦上戦闘機などと異なり、初めから特攻兵器として開発されました。母機である一式陸上攻撃機で敵艦船付近まで近づき、射程圏内に入ったら母機と切り離され、桜花搭乗員が目標まで誘導し、体当たり攻撃を敢行するものでした。
桜花のレプリカは靖國神社の遊就館に展示されています。ただし実機はレプリカのように、本来航空機にあるべきはずの「日の丸」が描かれませんでした。前述の通り、本機は航空機ではなく「大型誘導爆弾」だったからです。これはあくまでも私の推測ですが、靖國神社の桜花に日の丸が描かれているのは、戦死された桜花搭乗員に対する崇敬の念が込められているのだと思います。
模型はハセガワ製で、一式陸上攻撃機とセットで販売されています。
今回、この作品を展示することに少なからず不安がありました。それは、多くの兵器と異なり「必死必中」が前提とされているからです。
しかし、私が敢えて展示しようと考えたのは、このプラモデルから大事なことを教わったからです。それは「真摯に作る」ことの大切さです。この作品を作るまで、プラモデル製作過程において、完成時に見えなくなったり目立たなくなる箇所の下地処理や塗装を省いていました。それが悪いことではありません。事実、プロモデラーの中にもそういったスタンスの方はいらっしゃいます。それでも、私は桜花の製作に際して一切の妥協が出来ませんでした。それは初めて、実機を設計・製造した技術者がどのような心持ちで取り組んだのか、ということに考えが及んだからです。
桜花の製作をきっかけに、プラモデルとの向き合い方が変わりました。その点において、このプラモデルは私にとって思い入れの強いものになりました。
#1/72 #プラモデル #特攻機 #神風特別攻撃隊