【1988/06/23】国宝シリーズ郵便切手・第4集

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国宝シリーズ第4集として、昭和63年6月23日(木)に60円及び100円郵便切手が発行されます。

厳島神社は、推古朝(592)の創立と伝えられていますが、社殿が建てられたのはずっと後のことです。現在の規模となったのは、平安時代後期、平清盛の手によるものといわれています。
島全体を信仰の対象として本州側から拝んでいたようで、島の上に社殿をたてることをはばかり海中に建てられたので、現在のように珍しい形になったと思われます。潮が満ちると、朱の社殿や回廊が海上に浮かぶこの厳島神社を中心とした景観は、”安芸の宮島”として親しまれ、日本三景の一つに数えられています。
切手の意匠は、摂社客神社の祓殿を右正面から眺めたものです。摂社客神社は、本社の主神に従属する外来の神を祭る神社、祓殿は厄除けなどの神事を行う殿舎です。背景に見える塔は、五重塔で重要文化財に指定されています。

小桜韋威鎧は、平安時代後期の武将源義光が甲斐の守に任じられて以来、その子孫の甲斐源氏へ伝えられ、武田氏の宝として受け継がれたもので、”頑丈で、矢や槍をふせぐ盾も必要ない”という意味で「盾なし」の鎧とも呼ばれています。
武田信玄の時に菅田天神社(塩山市上於曽)に納められていましたが、信玄の没後相続した武田勝頼が長篠の合戦で敗れた際家臣がこれを持って逃れ、向嶽寺(塩山市上於曽)の木の下に埋めました。その後、家康が掘り出して、再び菅田天神社に納め、以来、現在も当社に保存されています。
この鎧は、小札と呼ばれる長方形の鉄の薄板を、韋(なめしがわ)が組み紐で継ぎ合わせる”威”という手法で作られていますが、威に小さな桜の紋を染めた韋が使われていることから、この名がついています。

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