【1988/05/30】奥の細道シリーズ郵便切手第6集

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奥の細道シリーズ第6集として昭和63年5月30日(月)に60円郵便切手(2種連刷)が発行されます。

「さみだれをあつめて早し最上川」
芭蕉は立石寺から最上川上流の船着場である大石田へ出た。この句の初案「さみだれをあつめてすゞしもがみ川」は、この地での作だが、『おくのほそ道』では船で最上川くだりをしたあとのところに、「すゞし」を「早し」に改作して載せてある。日本三急流の一つである最上川の川くだりをした体験が預かっていよう。

「雲の峰幾つ崩て月の山」
芭蕉は陰暦六月三日、元合海から船に乗って最上川をくだり、狩川から陸路羽黒山神社に至って十二日まで滞在した。滞在中六月六日から一泊で月山・湯殿山の二社に参詣の登山をした。この句は羽黒山神社に帰った翌日、別当代会覚の求めで短冊に書いた句。大意は「仰ぎ見る月山には弦月が淡い光を投げかけており、高い雲の峰は夕日に映えているが、この雲の峰は夕方までに幾つ崩れては涌き、涌いては崩れたことであろうか。」である。

画「最上川」は、日本画家堀文子氏が「さみだれを・・・」の句から受けた印象を独自のイメージで描いたものです。同氏は、創画会会員。
画「月山」は、日本画家今野忠一氏が「雲の峰・・・」の句から受けた印象を独自のイメージで描いたものです。同氏は、日本美術院(院展)の評議員です。
書は、二句とも書家宮本竹逕氏の筆によるものです。同氏は、日展理事です。

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