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【1985/10/07】国際文通週間にちなむ郵便切手
国際文通週間にちなみ昭和60年10月7日に130円郵便切手が発行されます。 国際文通週間は、世界各国の人々が文通によって、言語、習慣などの違いを越えて、お互いの知識を交換し、理解を深め、文化を交流し、世界平和に貢献しようという趣旨で設けられています。この週間は、昭和32年(1957年)カナダのオタワ市で開催された第14回万国郵便大会議で、毎年、万国郵便連合創設記念日である10月9日を含む1週間を「手紙を書く週間」とし、各国ともそれぞれの国情に応じて「国際文通週間」を設けることが決議されたことに始まります。 この10月9日は「UPUの日」として親しまれてきましたが、昨年西ドイツのハンブルグにおいて開催された第19回万国郵便大会議において、郵便の重要性についての理解と認識を一層深めていただくため「世界郵便デー」と改称されました。 我が国における国際文通週間は、第29回目に当たり、10月6日から10月12日まで財団法人日本郵便友の会協会が中心となって各地で多彩な行事が催されることになっています。 切手の意匠は、平田郷陽が制作した衣裳人形「清泉」です。 平田郷陽(明治36年~昭和56年)は、昭和30年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定され、その気品高い作品は、芸術的にも高く評価され、人形作家の第一人者と言われています。
10枚(縦5枚・横2枚) 縦35.5mm・横25.0mm 清泉(平田郷陽制作)windsurfcafe
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【1986/04/15】切手趣味週間にちなむ郵便切手
切手趣味週間にちなみ昭和61年4月15日に60円郵便切手(2種連刷)が発行されます。 切手趣味週間は、切手収集趣味の健全な普及向上を図るため、昭和22年に設けられ、毎年、その期間内に全日本切手展(今年は、4月15日から4月20日まで)などの種々の催しが行われています。 切手の意匠となった「南波照間」の作者は、菊池契月です。 菊池契月(1879年~1955年)は、長野県下高井郡に生まれ、初め、児玉果亭について南画を学び、後に、京都に出て四条派の菊池芳文に師事しました。明治末年より26年間にわたって、京都市立絵画専門学校で教える傍わら、菊池塾を設けて後進を育てました。 彼の作風は、清澄典雅な古典的品格を示しています。代表的な作品としては、「鉄奨蜻蛉」、「立女」、「交歓」などがあり、今回採り上げた「南波照間」も、代表作の一つと言われています。
10枚(縦5枚・横2枚) 縦35.5mm・横25.0mm 「南波照間」菊池契月windsurfcafe
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【1986/10/17】第5回いけばな世界大会記念郵便切手
第5回いけばな世界大会を記念して昭和61年10月17日に60円郵便切手が発行されます。 社団法人いけばなインターナショナルは、昭和31年に「花を通じての友好」をモットーに設立された、いけばな及びそれに関連した芸術や文化の研究に基礎を置く文化団体です。設立以来、平和な時代の流れと共に友好の輪は年々大きく広がって、現在では世界に174の支部があり、会員数は12,000人に達しています。 昭和40年に第1回世界大会が東京で開催されて以来、オイルショックによる1度の例外はあったものの、5年ごとに開催されています。今大会は、いけばな発祥の地とも言える京都市(国立京都国際会館)で昭和61年10月17日(金)から10月21日(火)まで開催され、いけばなの源泉と言える時代から、モダンアートの世界に迫りつつある現代の「華」まで。いけばなの集大成とも言える大会となります。
20枚(縦4枚・横5枚) 縦25.0mm・横33.5mm 秋の花と洛北おとめwindsurfcafe
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【1986/10/06】国際文通週間にちなむ郵便切手
国際文通週間にちなみ昭和61年10月6日に130円郵便切手が発行されます。 国際文通週間は、世界の人々が文通によって、言語、習慣などの違いを超えて、お互いの知識を交換し、理解を深め、文化交流に努め、世界平和に貢献しようという趣旨で設けられています。この週間は、昭和32年(1957年)にカナダのオタワ市で開催された第14回万国郵便大会議で、毎年、「世界郵便デー」(万国郵便連合創設記念日)である10月9日を含む1週間を「手紙を書く週間」とし、各国ともそれぞれの国情に応じて「国際文通週間」を設けることが決議されたことに始まります。
10枚(縦5枚・横2枚) 縦35.5mm・横25.0mm 大森みやげ(鹿児島寿蔵制作)windsurfcafe
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【1986/08/30】第11回国際電子顕微鏡学会議記念郵便切手
第11回国際電子顕微鏡学会議を記念して昭和61年8月30日に60円郵便切手が発行されます。 国際電子顕微鏡学会議は、国際電子顕微鏡学会連合が4年ごとに開催する電子顕微鏡に関する最大規模の会議であり、世界各国から解剖学、病理学、ウィルス学、細菌学等の基礎医学、臨床医学、歯学、薬学、動物学、植物学等の生物科学、結晶学、生物物理学等の物理学、化学、材料工学、電気、電子工学、応用物理学、農業科学等の広範な分野で電子顕微鏡を主な研究手段としている研究者が一堂に会し、精選された研究成果の発表を基礎に将来の展望も含めて、高水準の討論が行われます。 なお、本会議の概要は次のとおりです。 1 会期 昭和61年8月31日(日)から9月7日(日)まで 2 会場 京都市(京都国際会館) 3 主催 日本学術会議、㈳日本電子顕微鏡学会
20枚(縦5枚・横4枚) 縦35.5mm・横25.0mm 電子顕微鏡の構造図と原子のイメージwindsurfcafe
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【1987/09/26】日タイ修好宣言調印100年記念郵便切手
日タイ修好宣言が調印されてから今年が100年目に当たるのを記念して、昭和62年9月26日に60円郵便切手が発行されます。 日本とタイの間には600年来の交流の歴史があると言われています。近代国家としての両国の国交関係は、明治20年9月26日に調印した「修好通商ニ関スル日本国暹羅国間ノ宣言」によって樹立されました。 この時から、東京とバンコクの双方に両国の公使館が設置されることとなりました。 日本と他のアジア諸国との国交関係は、第二次世界大戦後の各国独立後に樹立されたものですが、日タイ国交関係のみが、戦前、戦後を通じて深い友好関係を維持してきました。 タイ国は、世界の中で政治的・経済的にますます重要性を高めつつあるASEAN(東南アジア諸国連合)の重要構成国であることからも、今後、日タイ友好関係が一段と重要性を増してきます。
20枚(縦4枚・横5枚) 縦25.0mm・横33.5mm エメラルド寺院と桜windsurfcafe
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【1987/08/25】奥の細道シリーズ第3集郵便切手
奥の細道シリーズ第3集として昭和62年8月25日に60円郵便切手が発行されます。 <世の人の見付ぬ花や軒の栗> 芭蕉は、白河の関を越えてから、旧知の俳友である須賀川の豪農相良伊左衛門(俳号等躬)を訪ね、しばらく滞在しました。その間、近くの大きな栗の木の下に庵を結んで隠棲している可伸という僧を訪れたときの作です。 大意は、「地味で目立たない栗の花は、世人の目にとまらない花である。その木はまた行基菩薩にも縁がある。その栗を愛して、世を避け、世に隠れ住んでいるこの庵の主人も、目立たない人だが、ゆかしいことだ」です。 <早苗とる手もとやむかししのぶ摺> 芭蕉が、今の福島市の郊外にある「しのぶもじ摺の石」を訪ねたときの感慨を詠んだ句です。 大意は、「早乙女たちが、早苗をとり田植をしているが、その手つきを見ていると、昔しのぶ摺をした手つきもあんなものであったろうかと、昔のことがしのばれて、ゆかしいことだ」ですが、初案は、「早乙女にしかた望んしのぶ摺」というものでした。 「しのぶ摺」は、昔奥州信夫郡から産出した摺絹の一種で、もじれたような模様が摺つけてありました。
20枚(縦5枚・横4枚) 縦33.5mm・横25.0mm A)栗の花(世の人の見付ぬ花や軒の栗) B)早苗(早苗とる手もとやむかししのぶ摺)windsurfcafe
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【1987/06/23】奥の細道シリーズ第2集郵便切手
奥の細道シリーズ第2集として昭和62年6月23日に60円郵便切手が4種発行されます。 <野を横に馬牽むけよほととぎす> 『おくのほそ道』の旅中、芭蕉が黒羽から那須温泉へ行く途中の作で、黒羽の大関藩の城代家老浄法寺図書高勝が馬子をつけ馬で送ってくれた。その馬子に短冊を請われて作ったと『おくのほそ道』にあります。大意は、「広漠たる那須野を馬に乗り、馬子に手綱をとらせて進んでいると、道の横手にあたってほととぎすが鳴き過ぎた。馬子よ、あのほととぎすの鳴き行く方へ馬を引き向けてくれ」です。 <田一枚植て立去る柳かな> 『おくのほそ道』によれば、那須の芦野の八幡宮に近い田の中に、西行が「道のべに清水流るる柳陰しばしとてこそ立ちどまりつれ」と歌に詠んだ遊行柳のあとが残っているのを見に立ち寄ったときの作です。大意は、「西行が歌に詠んだ有名な柳はこれかと、昔を思い、深い感慨にふけっていると、眼前の田ではその間に人々が一枚の田植をすませた気配である。自分もはっと現実にかえり、柳の陰を立ち去ることだ」です。
20枚(縦5枚・横4枚) 縦33.5mm・横25.0mm A)ほととぎす(野を横に馬牽むけよほととぎす) B)柳陰(田一枚植て立去る柳かな)windsurfcafe
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【1987/04/14】切手趣味週間にちなむ郵便切手
切手趣味週間にちなみ昭和62年4月14日に60円郵便切手(2種連刷)を発行しました。 切手趣味週間は、切手収集趣味の健全な普及向上を図るため、昭和22年に設けられ、毎年、その期間内に全日本切手展(今年は、4月14日から4月19日まで開催)など種々の催しが行われています。 切手の意匠となった「髪梳ける女」及び「化粧の女」の作者は、橋口五葉です。 橋口五葉(本名は清)は、明治13年に鹿児島市に生まれ、明治32年に日本画家を志して上京し、黒田清輝の勧めで東京美術学校西洋画科本科に入学、明治38年同科を首席で卒業しました。在学中、「ホトトギス」誌に挿絵を描いた縁で、夏目漱石の「吾輩は猫である」を装丁し、以来「虞美人草」などの漱石の単行本のほか、二葉亭四迷などの装丁を手がけました。 大正3年ごろから浮世絵論考を「浮世絵」誌などに発表していましたが、版画店主渡辺庄三郎に出会い、初めて木版画「浴場の女」を制作しました。五葉版画は、浮世絵版画の伝統的な技法を用い、彫工、刷工との共同制作であったが、腕達者な職人に恵まれて「大正の歌麿」と称されました。
10枚(縦5枚・横2枚) 縦33.5mm・横25.0mm A)「髪梳ける女」 B)「化粧の女」ともに橋口五葉windsurfcafe
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【1987/02/26】奥の細道シリーズ第1集郵便切手
奥の細道シリーズ第1集として昭和62年2月26日に60円郵便切手が4種発行されます。 <奥の細道> 松尾芭蕉が元禄2年(1689年)3月27日に江戸を出発、奥羽・北陸を巡り9月3日に大垣に到着、同月6日に伊勢に旅立とうとするまで150日間・600里(約2,400km)にわたる旅行の紀行文です。「奥の細道」の題名は本文中に「奥の細道の山際に十符の菅あり」とあることによっております。 <行春や鳥啼魚の目は泪> 「おくのほそ道」の中で、江戸から旅立ちのおり見送りの人々へ留別の句として詠まれたように書かれている句ですが、実際はのちに「おくのほそ道」の執筆に際して作られた句であると思われます。去りゆく季節の衷感を人間が悲しむだけでなく、鳥も魚も自然も共に嘆き悲しんでいるかのように詠んでいる上に、これから人々と別れ長い旅に出て行く離別の悲しみを重層的に籠めています。(2種連刷) <あらたふと青葉若葉の日の光> 江戸の千住から三日めに芭蕉は日光に着き東照宮を拝観しました。この句は日光山東照宮などこの地に対する挨拶の気持を籠めた句で「日の光」は太陽の光を指すと共に裏に「日光山」を掛けてあります。ただし実際日光で作った時の初案は「あなたふと木の下暗も日の光」でした。
20枚(縦5枚・横4枚) 縦33.5mm・横25.0mm A)芭蕉像(行春や鳥啼魚の目は泪) B)華厳(あらたふと青葉若葉の日の光)windsurfcafe
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【1989/10/27】第100回天皇賞競走記念郵便切手
第100回天皇賞競走を記念して、平成元年10月27日(金)に62円郵便切手が発行されます。 <天皇賞競走について> 明治38年に行われた「エンペラーズカップ」が天皇賞の前身で、このレースは、その後、「帝室御賞典競走」として、日本レースクラブ、東京競馬会、阪神競馬倶楽部など7競馬倶楽部で、それぞれ開催されるようになりました。しかし、昭和11年に各競馬倶楽部が統合されて日本競馬会が誕生したのを機に、このレースは昭和12年から、春は阪神、秋は東京と東西で年2回開催されることになりました。第1回は、昭和12年の秋に東京で行われたレースで、これが現在の「天皇賞競走」始まりです。平成元年10月29日の「天皇賞競走」は、100回目に当たります。 現在、春は京都競馬場、秋は東京競馬場において行われており、前者は、距離3,200メートルで5歳馬以上の長距離の実力日本一を決定するレース、後者は、距離2,000メートルで中距離のナンバーワンを決定するレースとなっています。 <意匠について> 意匠には、五冠制覇(皐月賞・日本ダービー・菊花賞・天皇賞・有馬記念の各レースを制すること。)を初めて成し遂げた名馬シンザン号を描きました。
20枚(縦5枚・横4枚) 縦38.5mm・横28.0mm シンザンwindsurfcafe
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【1989/10/06】国際文通週間にちなむ郵便切手
国際文通週間にちなんで、平成元年10月6日(金)に80円及び120円郵便切手が発行されます。 <国際文通週間> 国際文通週間は、世界の人々が文通によって文化交流に務め世界平和に貢献しようという趣旨で、昭和32年の第14回万国郵便大会議においてその設定が決議されたもので、期間は万国郵便連合創設記念日の10月9日を含む1週間です。わが国では、今年は、10月6日から10月12日までです。切手はキャンペーンの一環として、昭和33年以降毎年発行しています。 <源氏物語絵巻について> 源氏物語絵巻は、源氏物語の各帖から興味深い場面を選び出して描き、説明を加えたもので、平安時代後期(12世紀)の作品で、国宝に指定されています。絵の作者は、宮廷画家の藤原隆能ではないかと考えられていますが定かではありません。 <意匠について> 80円切手の意匠には、源氏物語絵巻の中の宿木から、また120円切手については、源氏物語絵巻の中の竹河から、碁を打つ情景が描かれている部分を採用しました。源氏物語絵巻では、碁を打つ場面が描かれているのは、この二つだけですが、源氏物語では、ほかに空蝉や手習の巻にも対局の場面の記述があります。源氏物語においては、対局者は宿木のものを除き、すべてが女性であり、物語や日記の執筆など、宮廷女性の活躍が著しかった当時において、碁が女性の間にも普及していたことがうかがえます。
10枚(縦2枚・横5枚) 縦30.0mm・横42.0mm A)源氏物語絵巻 宿木 B)源氏物語絵巻 竹河windsurfcafe
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【1989/09/18】ユーロパリア日本祭記念郵便切手
ユーロパリア日本祭を記念して、平成元年9月18日(月)に62円及び70円(外国あて航空便の葉書料金)郵便切手を発行しました。 <ユーロパリア日本祭について> ユーロパリア(Europalia)とは、"Europ"と"Opalia"(古代ローマの収穫祭)の合成語で「ヨーロッパの祭典」を意味するものです。 このユーロパリアは、1969年以来およそ1年おきにベルギーで開催されているフェスティバルで、毎回テーマ国を決め、その国の文化、芸術を様々なイベントを通して紹介するものです。 今回のテーマ国は日本で、1989年9月26日から12月17日まで、歌舞伎、能、文楽などの伝統芸能から、演劇、映画、音楽など現代の芸能に至る日本文化の全般が紹介されます。 ユーロパリアは、今回で10回目となりますが、ヨーロッパ以外の国からテーマ国が選ばれるのは、今回が初めてのことです。 <意匠について> 62円切手、70円切手共に、意匠には、重要文化財に指定されている紙本金地著色阿国歌舞伎図(国立京都博物館所蔵)の一部分を採用しました。この作品は、ユーロパリア日本祭の催事の一つ「日本美術における人間像展」に出品されることになっています。 <日本・ベルギー同日発行について> ベルギーで発行される記念切手の意匠は、重要文化財に指定されている木造上杉重房坐像(神奈川県明月院所蔵)で「日本美術における人間像展」に出品されることとなっています。
20枚(縦5枚・横4枚) 縦35.5mm・横25.0mm 紙本金地著色阿国歌舞伎図windsurfcafe
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【1989/06/01】国際花と緑の博覧会寄附金付郵便切手
国際花と緑の博覧会の準備及び運営に必要な資金に充てるため、平成元年6月1日(木)に62円郵便切手が発行されます。 国際花と緑の博覧会は、国際博覧会条約に基づく特別博覧会であり、東洋で初めて開催される国際園芸博覧会です。 この博覧会は、花と緑と人間生活のかかわりをとらえ、21世紀へ向けて潤いのある豊かな社会創造を目指すことを目的に開催されるもので、平成2年4月1日から同年9月30日まで大阪。鶴見緑地で開催されるものです。 今回の寄附金付郵便切手は、この博覧会の準備及び運営に必要な資金に充てるために発行されるものですが、寄附金付郵便切手としては、昭和59年2月10日に発行された「国際科学技術博覧会寄附金付郵便切手」以来約5年振りに発行されるものです。
20枚(縦5枚・横4枚) 縦35.5mm・横25.0mm 花気球(永田萌)windsurfcafe
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【1989/05/12】奥の細道シリーズ第10集郵便切手
奥の細道シリーズ第10集として、平成元年5月12日(金)に62円郵便切手(2種連刷)が発行されます。 「さびしさやすまにかちたる浜の秋」 芭蕉は陰暦8月16日(陽暦9月29日)に、敦賀湾の北西部にある色ヶ浜に遊びました。「浜はわづかなる海士の小家にて、佗しき法花寺あり。爰に茶を飲、酒をあたためて、夕ぐれのさびしさ感に堪たり」でした。この句はそのときの感銘をのちに思い起こして詠んだものです。須磨は「源氏物語」に「またなくあはれなるものはかかる所の秋なりけり」とあり、古来さびしい秋の情趣の地として有名でした。 「蛤のふたみに別行秋ぞ」 芭蕉は陰暦8月20日過ぎに大垣に着き、そこで『おくのほそ道』の旅は終わった。しかし、漂泊の人芭蕉はさらに旅を続けます。この句は大垣の人々への別れの句でもあり、『おくのほそ道』の結びの句でもあります。大意は「蛤の蓋と身が離れにくいように、私にとって別れがたい大垣の人々だが、ここに別れて私は伊勢の二見が浦を見に行く。折から季節も秋が行こうとしており、別れのさびしさが一層身にしみて感じられることだ。」です。 画「浜の秋」は、日本画家田渕俊夫氏が「さびしさや・・・」の句、画「蛤」は、日本画家大野俶嵩氏が「蛤の・・・」の句からそれぞれ受けた印象を独自のイメージで描いたものです。 書「浜の秋・・・」は、書家宮本竹逕氏の筆によるもので、氏は、日展理事、書「蛤の・・・」は、書家青山杉雨氏の筆によるもので、氏は、芸術院会員で日展常任理事です。
20枚(縦5枚・横4枚) 縦33.5mm・横25.0mm A)田渕俊夫「浜の秋」 B)大野俶嵩「蛤」windsurfcafe