今さらFIVE SPOTとは
初版 2021/12/14 22:05
今日最近Eric Dolphyを聴き始めた友達が遊びに来た。
彼は普段CDかサブスクが主流なためアナログで聴きたいとのこと。
何を聴きたいか聞くと1961年録音「Five Spot Vol1」との事でしたので、複数枚あるの同アルバムを聴き比べしようということになりました。
*Eric Dolphy At The Five Spot
1961年7月16日にニューヨークのクラブ「Five Spot」で行わた
伝説のライブを収録したライブアルバム
メンバーは
エリック・ドルフィー : アルトサックス、バスクラリネット、フルート
ブッカー・リトル : トランペット
マル・ウォルドロン : ピアノ
リチャード・デイヴィス : ベース
エディ・ブラックウェル : ドラムス
だが、時間もかかるのでとりあえず1曲目の名演「Fire Waltz」のみに絞って聞くことに。
順番は適当にということで、トップバッターはジャケットがオリジナルデザインということで買ったがほとんど聴いてない84年リリースのOJC版。
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プレーヤー、カートリッジ、アンプ、スピーカー、音量全て同じ条件で聞くことに。
ノイズもほぼなく盤もキレイです。
音は…薄っぺらい…。
ドルフィーとリトルの距離が結構離れていてグンッと前に来ないです。
けどまとまりはあって人によっては聴きやすいという人もいるかも。
なんかCD聞いてるみたい。
友達は……楽しんでる!?
さぁ、次行こう。
次はEMIが73年に配布したサンプル盤。
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これも2〜3回しか聞いてないと思う。
このシステムになってからは初めて。
あまり期待はしていない。
音の方は…
OJC版とほぼ同じですね。
最初にこれ聞いてたら今みたいに好きにならなかったかも。
ドルフィーの音だけ浮いてて、あとはバックバンド的な感じ。
友達は…鼻歌!?
はいはい、次!
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次はいつも聞いてるディスク。
USの69年リリースで多分ステレオ版の初版(?)
一応VAN GELDERのスタンプ入りです。
おーっ、全然違う!
まず5人の音の位置が絶妙にいいです。
ドルフィーとリトルもいい距離感。
リズムの3人も中心に座りはっきりとした演奏で迫力あります!
なんと言ってもドルフィーの演奏がすごい!!
音が暑苦しいくらいに迫ってきます。変態的。
友達は…目が血走ってる!
お次は
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多分日本だけで発売された企画ものでVol1とVol2のセット。
これもほとんど聴いてない。
これ面白いのが、1枚目がVol2で2枚目がVol1となってる。
音の方は…
…………聞かなきゃよかったかも。
今までの中で一番ひどい。
ドルフィーとリトルが遠く離れすぎていて一体感まるでなし。
真ん中の3人はおとなしくリズムを刻むだけ。
友達は…さぁ、次に行こう…と。
次は74年にリマスターされて3枚組(Vol1, Vol2, Memorial Albumのセット)でリリースされた「The Great Concert Of Eric Dolphy」なるアルバム。
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音は…
リマスターの為とてもクリアーにはなってるが、迫力は皆無。
ドルフィーとリトルの距離も遠い。
どうしてかな?70年代以降にリリースされたものは全部似たような感じでドルフィーとリトルの距離が遠く力強さを感じない(CDも含む)。
寂しい…
友達は…もう飽きてる…
次が最後だからねぇ。
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次はFive Spotで一番最初に購入したもの。
USの71年リリースでステレオ版の2ndのはず。
久しぶりに聴きます。
あれっ?めちゃくちゃいい!
今までで一番ドルフィーとリトルの距離が近い。
ほぼ漫才の立ち位置。
マイク挟んですぐ左がドルフィー、すぐ右がリトル。
ドルフィーの後にウォルドロン、リトルの後にブラックウェル、そのすぐ右にデイヴィス。
すごくコンパクトだけど5人の一体感がすごい!
ピアノの音もリアルで、調律が合ってない感もそのままだけどかっこいい!
ドラムの細かいところもしっかり再現されている。迫力もある。
他のこのアルバムの音源は残念なことにベースの録音が弱いとこなんだけど、この盤はすごく力強いベースが響いてる。
友達は…そりゃそうなるわな。
結果ドルフィーの凄すぎるプレイだけに揺さぶられたいのだったら69年のステレオ初盤、5人の熱い演奏を聞くなら71年のステレオ2ndという結論に至りました。
めでたしめでたし。
おまけに
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同じ条件で聞けないので今回の聴き比べでは聞かなかったのですが、友達が帰ってから一人でモノラル聴きました。
USの64年リリース2ndプレスです。
1st欲しいけど高くて未だに買えてないけど、こちらもなかなかです。
一応RVGのスタンプ入り。
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モノラルカートリッジと真ん中1本のスピーカーで聞くと別格です。
音楽を耳で聴くという感じとは違う、5人の感情をまっすぐに心臓に叩きつけられたような感覚ですね。
聴く側もそれなりの覚悟がないと聞けないな。
友達には…まだ早いかな…。
#レコード
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#jazz
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