ブリティッシュ・サウンド　番外編　〜THE KINKS（プロローグ）

現在のオーディオシステムにするきっかけとなった「THE KINKS」。

６０年代の４大ブリティッシュ・ロック・バンドの１つ（異論がある方も多いかと…）などと言われてはいるが、muuseoをはじめ日本では（？）話題に登る機会はほとんどない。

youtubeで人気の「み○ミュージック」でのキンクス特集はあまりにもひどかった。

もう少し勉強してからにしてほしかったな〜。

稚拙すぎる。

またそれを批判しているいくつかのチャンネルもだいたい同じレヴェルで、キンクスの素晴らしをまだ未開拓の方々に伝えるには程遠い内容だった。

なぜこのようなことが起こるのか？

ビートルズ、ストーンズであればもっと専門的で、深く、そしてわかりやすく解説している媒体がたくさんある。

伝える側に「愛」を感じるのだが、「キンクス愛」を感じる媒体がなかなかないのが現状である。

（小松崎健郎監修「The kinky File」、和久井光司編集「ザ・キンクス」など稀に素晴らしいものもあるけど）

そもそもキンクス自体がどのようなバンドか説明するのが難しい。

年代によってコロコロとスタイルが変化し、掴みどころがない。

「You Really Got Me」に代表されるガレージっぽいサウンドが好きな人は、その４年後にはフォークロック調になったり、そのまた３年後にはスワンプ調になったりするスタイルには物足りないと感じる人も多いでしょうし、またその頃を好きなファンは逆に初期のサウンドがうるさ過ぎと感じたり、その後のコンセプトアルバム期には「？？？」となる人も多いでしょう。

７０年代後半から８０年代にかけてのハードロック路線になり（ヴァン・ヘイレンがカヴァーし大ヒットしたおかげかな？）アメリカでの活躍期に喜びを見出す人もいるでしょうし、その後のブリティッシュ・サウンド帰化に嬉しさを感じる人（少数ですが）もいるでしょう。

…ということでサウンド面から見ると、これを１つのバンドとして捉えることはとても難しいことで、これがキンクスを分かりづらくしている理由の１つ（１番）なんだろうと思います。

（余談ではあるが「み○ミュージック」ではキンクスの初期レーベル「PYE」は音質がそれほど良くはないのでビートルズみたいに高い金額を払ってオリジナル盤を買う必要はないというようなことを言っていたが、それはリスナーの勝手であって必ずしも音質だけでオリジナル盤を買うわけではなく、そこには当時の空気感やまだ自分が産まれていない時代に対する憧れやロマンなどもあり購入に至ることもある訳で、そのような発言は必要なかったかと思います）

ですがちょっと見方を変えるとキンクスはいつでも常にキンクスで、レイ・デイヴィスのひねくれ具合はいつの時代も全開なのです。

キンクスとはレイ・デイヴィスのその時々の表現の場であって、そこは全くブレていないのです。

（そしてアルバムは売れている・売れていない関係なく全部名作なのです←間違いない！！）

そのストレートではない捻じ曲がった感性が人間の不安定さを代弁（？）し、常にマイナーの代表として堂々といつの時代にも君臨しているのでしょう。

サー・レイ・デイヴィスに敬礼！！

今日はこの辺りにして、次はキンクスの長い歴史をアルバム順に追ってみたいと思います。

こんなの興味ある人いるのか！？