【手彫証券印紙】刷色が黄色の印紙:色調変換による見やすさの改善

初版 2024/12/08 21:12

手彫証券印紙の25銭は第一次から第五次を通じて黄色で刷られています。

この黄色は見た目は美しいのですが、印面の細かな部分を観察するには実に見にくい刷色なのです。

同じような黄色のインクが使われている手彫切手、特に2銭切手の場合には、アナログコピー機の時代から、黄色を青色に変換して印面紋様の分析とプレーティングが行われていた、といろいろな文献に書かれているのですが、私はスキャナーで取り込んだ25銭印紙のデジタル画像を簡単に処理してわかりやすくする方法が思いつかず、ずーっと手付かずのまま放置しておりました...

この度、別のLabジャーナルでご紹介している大坂の箱場印をまとめる作業を進めており、箱場印の印影データを処理するために、フリーの画像処理ソフトGimpを使いはじめたのですが、このソフト、かなり複雑な画像処理が可能で、使い方を日々勉強している最中です。

その中で、色調の調整機能をいろいろいじっていたところ、色調を「反転」する、という操作で、黄色を青系統の色に簡単に変換できることに気づきました。

早速、第一次発行25銭大型で試したところ...

が、

と変換されました!!!

印面紋様の細かいところまでくっきり。これは使えます!

しかも、何気に選んだこの一枚、色調変換後の画像を改めて見ると、左の警告文、「可」の右上に、余分な枠線が伸びていることがわかりました。これはエラーとは言えない細かい印面変種ですが、プレーティングのためには重要な特徴となります。

黄色の色調変換のやり方には他にもいろいろな方法があると思いますが、少なくとも Gimpでワンタッチでかなりのことができることがわかりました。これを使って、これまで手付かずだった25銭印紙の印面の分析を進めることができそうです。

面白い発見が待っているかも知れず、楽しみがまた一つ増えました!

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unechan

子供の頃から細々と続けてきた切手収集。長年のブランクを経て10年ほど前から再開し、日本切手クラシカル、ドイツインフラなどを収集。併せて手彫証券印紙の収集を始め、現在はこちらがコレクションのメインになっています。郵趣に加えて音楽(ジャズ)、釣り、鉱石収集、昆虫採集(蛾類)など趣味多数にて家族には迷惑をかけております…

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