2024.09.23 Sammy Hagar @有明アリーナ

初版 2024/09/28 20:57

改訂 2024/09/28 20:57

もう二度と日本で観られることはないだろうと諦めていたSammy Hagarを、ほぼ正面の前から2列目という「神席」で観ることができました。数々のライブを観に行ってる自分ですが、その中でもトップを争うくらいに最高のライブでした!

「The Best Of All Worlds」と銘打たれた今回のこのツアーの北米日程が発表された際、いつも入り浸っている近所のバーのマスターがSammy Hagarの大ファンなので「アメリカまで観に行く!」と張り切っていたのですが、いざ旅費を算出してみたらとんでもない額になることに気づいて諦めていたところに飛び込んできた今回の来日公演のニュース!マスター、Live Nationの有料会員になって速攻でチケット買う!名古屋、大阪、東京の3公演とも参戦する!というので東京公演に便乗させていただくことにしました。速攻でチケット手配していただいたおかげで「神席」でご一緒できて感謝感激(ちなみに名古屋も大阪も神席だったそうです)!!バーの常連メンバー4人で参戦してきたのですが、全員で法被を着て「祭」と書かれたハチマキをして、Traditional Japanese Party Styleで臨みました。実は前日の大阪公演ではマスターが赤い法被をステージに投げ込み、Sammyがそれを着て「Panama」を歌ってくれたうえにサインをして返却してくれたという奇跡が起こったので、自分も年甲斐もなく「推し活グッズ」なるものを初めて自作し、ステージ上のバンドメンバーたちにアピールしまくったつもりです。目の前のJoe Satrianiは「Surfing With The Alien」をモチーフにした団扇に気づいてくれました。

Rod Stewart以来の有明アリーナ。会場入りして席についてみて、あまりの近さに「夢じゃないか?」と頬をつねりたくなる、そんな「神席」はJoe Satrianiの立ち位置の目の前。Red Rockerの「R」の形をしたあの真っ赤なマイクスタンドがすぐそこに立っているではありませんか!!

ひとしきり記念撮影などに興じつつ開演を待っていると、BGMの音量が大きくなって流れ出したのはVan Halenの名曲「Dreams」!日本で特に人気のあるこの曲をオープニングに使うというこの演出はどうやら日本だけでの特別なものだったようです。そして「ドックン、ドックン…」という心臓の鼓動のようなSEに合わせてSammy Hagarの長いキャリアをダイジェストにしたような映像が流れ…(もうこの時点で興奮で心臓がはち切れそうでしたが)Sammyのあの「HELLO, BAAAAABY!!」の叫びからの「Good Enough」でスタート!このアルバム「5150」のオープニングを再現した演出で会場はもう大爆発!!

自分は29年前のVan Halen来日公演で一度Sammyを観ていますが、その時は1曲目が「Right Now」だったので、生「ヘッロウ、ベーーーーイベッ!!」が聴けて感激!!しかもあの時は代々木体育館の1階席から遠くに観ていた人がいま、目の前にっ!!どれくらい近いかというと、照明の具合によってSammyやJoeのサングラスの奥の眼が見えるくらいでした。続いて自分が初めて買ったVan Halenのアルバム「For Unlawful Carnal Knowledge」から「Poundake」「Runaround」という大好きな2曲を立て続けに!Sammy Hagarはもうすぐ喜寿の御年76歳とは思えないほど声に艶と張りがあってビックリ。そりゃあ曲のキーを下げたりと工夫はしてましたが、それでも「あの声」は健在!!「声」でいうとMichael Anthonyのあの透き通るようなハイトーン・コーラスも健在で、彼の歌声はやっぱりVan Halenサウンドを担う重要なピースだと改めて思いました。SammyとMikeyが居なくなってDave Lee RothとWolfgang Van Halenを加えてのVan Halen再結成ライブも観に行きましたが、Wolfgang君も良い声してるもののやっぱり何かが違う、Mikeyをクビにしたことで大切なものを失ってしまったんだと当時も感じたものです。そして今回Van Halenの曲を中心に演奏するということで一番重圧があったかもしれないJoe Satrianiですが、まったく違和感なし。サウンドも普段のSatrianiの音からEddie寄りになっていたし(そのためにアンプも新調したそうです)、それでも要所で自分の色を出してるあたりは流石でした。そのJoe Satrianiの前でギターを弾くなんて「愚か者のすること」と言いつつSammyもギターを抱えて始まったのは「There's Only One Way To Rock」。ツインギターがカッコイイ!!そして実はSammyも凄くギター上手いよね。

「自分のいなかった時代のVan Halenで一番好きな曲」との紹介で始まったのは「Panama」!やっぱりこの曲はめっちゃ盛り上がる!!さらに「5150」「Summer Nights」と、コンセプト通りVan Halen曲を次から次へと披露してくれます。曲紹介のMCで「俺のジョークに笑わないお前は日本人か?言葉が通じてないのか?」とふられたJoeが「こんばんは。お元気ですか?私はJoe Satrianiです。私はギター弾きです。私は日本語が少ししかわかりません。」と流暢な日本語を披露。「酒飲んで楽しもうぜ!」というSammyの陽気なキャラに対してJoeは「クソ真面目キャラ」で通ってるみたいですね。そんな感じで曲間のMCでSammyがバンドメンバーをちょいちょいイジってたのも面白くて、SNSにはオフステージでもみんなで食事や観光を楽しんでる様子がアップされてて本当にみんな仲良しなんだな、と感じさせられます。そういうのって演奏にも表れるもので、全員が楽しそうに演奏してくれていて、その楽しさがオーディエンスにも伝播している感覚を何度も覚えました。そんなSammyの長年の相棒、Michael Anthonyがスポットを浴びたのが「Ain't Talkin' 'Bout Love」。この曲ではMikeyがリードヴォーカルを取り、そして弾いていたのはあのJack Daniel'sのベース!いつもコーラス歌ってる人なので、歌はやっぱり上手かったです!

その後も「Top Of The World」からの「Best Of Both Worlds」でステージ上のメンバーと一緒に腕を振り上げて楽しみ、Joeのソロタイム「Satch Boogie」を挟んで「The Seventh Seal」(ちょっと意外な選曲)、そして「Right Now」!前述のとおり29年前のオープニング曲だったこの曲を再び聴けた!サポートメンバーのRai Thistlethwayteがちゃんとキーボードを弾いているので、ライブ感が増しているような気がしました。この人、曲によってはリズムギターを弾いたり、またコーラスでも大活躍してました。知らなかったのですがJoe Satrianiと活動してた人なんですね。「Right Now」の演奏中に後ろのスクリーンには「今」「サミーは29年ぶりに日本で演奏します」といった微妙な日本語のメッセージが流れてました。「今」「ジョー・サトリアーニはエイリアンです」には笑いました。こんなところでもまたイジられてるし…

次の「Why Can't This Be Love」ではSammyがMikeyと肩を組みながらマイクをシェアして歌う場面もあり、長年活動を共にしてきているこの二人のこの絡みは本当に最高でした。ひどい扱いを受けてVan HalenをクビになってしまったMikeyですが、今もこうしてSammyと活動できていて、29年ぶりに日本に来てベースと歌を聴かせてくれて本当にありがとうございます!

ここで簡単なメンバー紹介があり、「The man who saved the day」と紹介されたドラマーのKenny Arnoff。Jasonの離脱からわずか24時間で曲を覚えてバンドに加わって演奏してくれたという北米ツアーでのエピソードが紹介され、彼がいなかったら来日公演もキャンセルになってたかも、とも。Kennyさん、本当にありがとうございます!!!続いて披露されたのはSammyのソロから「Eagles Fly」。この曲はしっとりとアカペラのような入り方だったのですが、そこで改めて当たり前ですがSammyの声の良さと歌の上手さを堪能できました。本当に年齢をまったく感じさせないのが凄すぎます!感動的なこのミッドテンポ曲は怒涛のSammyナンバーの幕開けでした。酔っ払いソングの「Mas Tequila」ではSammyがテキーラの振る舞い酒をしてくれるのですが、有明アリーナはステージから客席まで距離があったので残念ながら我々のところにまでは回ってきませんでした。それでもめげずにマスターお手製の「Sammy's Beach Bar Rumライト」を点灯させ、「One shot, HEY! Two shots, HEY HEY!!」と踊りまくって盛り上げましたよ。法被姿でライト振り回してる四人衆がよっぽど面白かったのか、前の席の外人さんがずっと振り向いて動画撮ってました…。続いて「Heavy Metal」、そして爆走スピード違反ソング「I Can't Drive 55」!この一連のSammy曲でJoeが赤、白、黒のEVH Frankensteinギターを弾いてたのも最高でした!

ライブも終盤に近付いたこのタイミングで、日本のファン向けのサプライズ。初日の名古屋公演の直前に急遽リハーサルをやって、次の大阪では少し良くなって、今日は最高の演奏ができるはず!と披露されたのは「Can't Stop Loving You」!!オープニングの「Dreams」とともに日本での人気曲ということで急遽、セットリスト入りした曲。ライブで演奏されるのも十数年ぶりらしく、日本のファンだけのための特別な演出でした。自分にとっては一番好きな曲というほどでもないのですが、思わずウルウルしてしまいました…!!

締めは「Jump」からの「When It's Love」。Sammyは観客に向かって「Can you feel the love?」と何度も問いかけてました。感じますよ、あなたからファンへの愛情を!!

こうしてアンコール無しで突っ走った21曲のライブが終了。終わってみれば飛び跳ねて踊って歌って…喉ガラガラ全身汗だくになってましたが、最高に気持ちイイROCK SHOWでした!!

「The ”Red Rocker” Sammy Hagar, AT YOUR SERVICE!!」Sammy Hagarがステージ上で自己紹介する際によく使うフレーズですが(ライブアルバムのタイトルにもなってますね)、まさにその言葉通り本当にサービス精神の塊のような人でした。ステージに投げ込まれたバナーや衣類は広げたり身につけたりしてから、サインをして返却。ビールやテキーラを前列の客に振る舞い酒…といった具合にステージ上でもファンサービスたっぷり。さらには、ここ日本で特に人気の高い曲を演出に組み込んでくれたり。そして何より今回の来日公演が実現したのも我々日本のファンのためを思ってくれたからこそでしょう。しかもバンドメンバーが超豪華!盟友Michael AnthonyにJoe Satriani、そしてJason Bonhamは残念ながらご家庭の事情で来日できませんでしたが、代役としてKenny Arnoffが加わったことで実質Chickenfootとなったわけで。そんな凄いメンバーでVan Halen時代の曲を中心にしたライブをここ日本でも演ってくれたなんて、まさしく奇跡です。本当に感謝しかありません!!

でもせっかくなので、今回来られなかったJasonと一緒に今度はThe Circle名義でまた来てほしいものです。

SAMMY HAGAR
The Best of All Worlds 2024 Tour
2024年9月23日(月・祝)
有明アリーナ

Musicians:
Sammy Hagar (Vocals & Guitar)
Michael Anthony (Bass & Vocals)
Joe Satriani (Guitar)
Kenny Arnoff (Drums)
Rai Thistlethwayte (Keyboards, Guitar & Vocals)

Setlist:
1. Good Enough [Van Halen song]
2. Poundcake [Van Halen song]
3. Runaround [Van Halen song]
4. There's Only One Way to Rock
5. Panama [Van Halen song]
6. 5150 [Van Halen song]
7. Summer Nights [Van Halen song]
8. Ain't Talkin' 'bout Love (Michael Anthony on vocals) [Van Halen song]
9. Top of the World [Van Halen song]
10. Best of Both Worlds [Van Halen song]
11. Satch Boogie [Joe Satriani song]
12. The Seventh Seal [Van Halen song]
13. Right Now [Van Halen song]
14. Why Can't This Be Love [Van Halen song]
15. Eagles Fly
16. Mas Tequila
17. Heavy Metal
18. I Can't Drive 55
19. Can't Stop Lovin' You [Van Halen song]
20. Jump [Van Halen song]
21. When It's Love [Van Halen song]

Sammy Hagar 来日公演Tシャツ

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いしー

Sammy Hagar リトグラフ(2024)

https://muuseo.com/tanudon81/items/167

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Sammy Hagar 2024年来日公演 GOLD席特典グッズ

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いしー

さんじのちち。ロックマおたくなサラリーマン。にわかラグビーファン脱皮中。

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