2024.01.24 Billy Joel @東京ドーム
初版 2024/01/27 12:45
改訂 2024/01/27 17:56
Billy Joelのおそらく最後となるであろう?一夜限りの来日公演。実は1980年~1985年に幼少期をニューヨーク郊外で過ごした自称「ニューヨークっ子の端くれ」としては絶対に外せない!ということで観てきました。
16年ぶりの来日公演とのことでしたが、自分にとっては2006年の来日以来だから18年ぶり。Billyももう74歳ですが、衰えてるかと思いきや…むしろ進化してる!?チケット高かったけど観に行って本当によかった。この日、何回泣いたことか…!
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Billyの歌もピアノもとにかく凄かった。オールタイムベストといえる選曲だったし、原曲キーのまま歌ってて驚くとともに感激しました!「ミナサン、コンバンワ!」「ヒサシブリデス」「サイゴマデ、タノシンデ」「アリガトウゴザイマス」と日本語MCをたくさん披露してくれたり、「Zanzibar」のイントロに「さくら さくら」を弾いてみせたり…そして「Honesty」や「The Stranger」といった特に日本で人気の曲(海外のコンサートではあまり演らないらしい)をセットリストに入れてくれたり…と日本向けサービスもてんこ盛り。
そしてお茶目なおじさんぶりも変わらずでした。この日初めて立って歌う場面で、よっこらしょ…みたいな動きで立ち上がり一言「ふう…I'm not Mick Jagger」で爆笑を誘うと、おもむろにバンドが「Start Me Up」のイントロを弾き始め…するとBillyがあのMickのダサいラジオ体操みたいな動きのモノマネも交えてそのままワンコーラス歌いきり…「I told you, I'm not Mick Jagger!」で爆笑と拍手喝采を浴びてました!さらに「An Innocent Man」を歌う際には「次の曲は…1983年?マジで?…の曲。あの頃はまだ髪の毛があったなぁ。髪の毛がないからもう歌えないかも…。1983年、僕は30代の半ばで、ハイ・ノート(高音)に"サヨナラ"して、今みたいな(わざと低い声で)"ディープ・ヴォイス"になったんだよ。だからこの曲を歌うときはハイ・ノートが出せるか心配になるんだ。」といった感じのMCからスタートしたのですが、不安そうなことを言っておきながらハイ・トーンも見事に歌い切ってくれて、お茶目さと現役パフォーマーとしての凄さを見せつけてくれたのでした。
Billy本人ももちろんですが、バックを固めるバンドメンバーも皆凄腕揃い。中でも80年代から長年Billyと活動してきてるMark RiveraとCrystal Talieferoが特に素晴らしかったです。Markは「New York State of Mind」でのサックスソロや「The Stranger」でのあの口笛!サックスの達人は口笛まで上手いとは…!!
Crystalはパーカッションにサックスに歌にと八面六臂の大活躍。特に「The River of Dreams」では彼女による印象的なパーカッションの演奏から始まり、曲の途中で挟み込まれたIke & Tina Turnerの「River Deep Mountain High」をド迫力の歌唱とステージアクションで聴かせてくれました。この曲、曲名がRiverつながりであるのみならず昨年亡くなったTina Turnerへのトリビュートだったんですね。
あと個人的に気になったのはキーボードのDave RosenthalとドラムのChuck Burgiは元Rainbow!Ritchie Blackmoreとハードロック演ってた人たちが今はこんなところに…というのが面白かったです。
「Zanzibar」でのCarl Fischerのトランペット・ソロやテノール歌手顔負けの歌唱で「Nessun dorma」を歌っちゃうギタリスト、「The Longest Time」での見事なアカペラ合唱など、他にもバンドメンバーの貢献は挙げたらキリがないのですが、のちにBillyがSNSにアップしてたセットリストに各人の名前が書き込まれていることからも、みんなに見せ場が用意されていたことがわかりました。
自分にとってこの日最初のハイライトは「New York State of Mind」。ニューヨークっ子の端くれなどと自称しておきながら、当時のマンハッタンはまだまだ治安が悪く「日本人の子供は誘拐されるから絶対に一人で車から出るな」と厳しく教わっていたので、車窓から摩天楼を見上げた街、という記憶しかありません。この曲を聴くと「あの頃のマンハッタンの街を自分の足で歩いてみたかったなぁ」と、曲が持つオトナな雰囲気と相まって回想させられちゃいます。アウトロの見事なサックスソロで涙腺決壊…。
そして本編最後の「Piano Man」。Billyがハーモニカを装着すると大歓声が!アメリカの場末のバーの風景ととそこに集う人々の物語…彼の代名詞とも言える代表曲、何度聴いても感動します。そして最後のサビはドーム全体が一体となって観客の大合唱!最高でした!!
そして自分にとっての最大のハイライトはアンコールにやってきました。「We Didn't Start the Fire」と「Uptown Girl」。この2曲を連発するなんて…なんてことしてくれるんですか!!中学の時に友人から借りたアルバム「Storm Front」のCDの歌詞カードを見て衝撃を受けた「We Didn't Start the Fire」。当時はまだインターネットもなかったので意味を調べるのに苦労しましたが、歴史上の出来事やポップ・カルチャーの勉強になったものです。そしてこの日、この曲の演出がすごく面白くて歌詞カードを見た時の衝撃を上書きされました。スクリーンにスマホの画面が出てきて、歌に合わせて歌詞に出てくる人物や出来事の画像が左右フリックで次々と現れては消えていく…という映像が映し出され、思わず「おお〜!面白いっ!!」と声を上げてしまいました。そして今だにこの曲をお経のように歌えてた自分にも驚きました…。
さらに間髪入れずに始まった「Uptown Girl」!!ニューヨーク(郊外)在住当時の最大のヒット曲!アメリカ人のガキンチョたちと一緒にラジオ聴きながら「オーオーオーオーオーオーオーオーオーオーオー♪」と大合唱してた思い出の曲です。この日も歌いすぎて喉ガラガラになっちゃいました。最高に気持ちよかった〜!!
アンコールではこの2曲をはじめアップテンポな曲を5曲も立て続けに披露してくれてノリノリで終演。年齢を全く感じさせない見事なパフォーマンスとエンターテイナーぶり。最後に?また日本に来てくれて本当にありがとうございました!なんか以前より痩せて健康的にも見えたし…ぜひまた来てください!!
One Night Only in Japan
Billy Joel in Concert
2024年1月24日(水)東京ドーム
Setlist:
Intro:(The End Title [from The Natural soundtrack by Randy Newman])
1. My Life (with Ode to Joy intro)
2. Movin' Out (Anthony's Song)
3. The Entertainer
4. Honesty
5. Zanzibar (with さくら さくらintro)
6. Start Me Up [The Rolling Stones cover]
7. An Innocent Man
8. The Lion Sleeps Tonight [Solomon Linda's Original Evening Birds cover]
9. The Longest Time
10. Don't Ask Me Why (with Beethoven's Symphony No.7 intro)
11. Vienna
12. Keeping the Faith
13. Allentown
14. New York State of Mind
15. The Stranger
16. Say Goodbye to Hollywood
17. Sometimes a Fantasy
18. Only the Good Die Young
19. The River of Dreams (with River Deep Mountain High [Ike & Tina Turner cover] interlude sung by Crystal Taliefero)
20. Nessun dorma [from Turandot by Giacomo Puccini](sung by Mike DelGuidice)
21. Scenes From an Italian Restaurant
22. Piano Man
(Encore)
23. We Didn't Start the Fire
24. Uptown Girl
25. It's Still Rock and Roll to Me
26. Big Shot
27. You May Be Right (with Rock and Roll [Led Zeppelin cover] snippet)