小さく見えて中は広い!ニシン御殿(旧余市福原漁場) 主屋編

初版 2022/11/16 23:13

改訂 2022/12/30 22:37

もうかなり前になりますが、8月に余市の旧福原漁場に行きました。明治13年にできたニシン御殿です。「御殿」と言っても京都で見られるような洗練された邸宅ではなく、大きな倉庫といった趣です。外観だけは「神社の社務所」と言われる我が家に似ています(苦笑)。

入口は小さく建物も大きく見えません。

地味な雰囲気ですねぇ。

主屋(母屋)のとなりの蔵です。こちらは後日のご紹介に。

福原漁場の駐車場に咲いた紫陽花の花々。とても美しいです。

このトロッコで大量のニシンを運んだのですね。

外からの見た目より、中に入るとずっと天井は高いです。

主屋の内部周囲は二階建てになっており、漁師が寝食できるようになっています。

中央には囲炉裏が。

主屋の詳しい説明。建坪は建築当時は現在の二倍という広さ。125坪は大変広い家屋です。

どんさ。衣服としてはかなり粗末な方ですが、これで余市の冬を乗り切れたのでしょうか。

この板を嵌めるとフラットな床になり、食事のときはこれを外して飯台にするという機能性。

特に眼を引いたのはこの立派な梁でした。幅60㎝、厚さは15センチほどありました。

親方が入った風呂のようですが、かなり小さなものです。

台所です。

極寒の余市で暖房はこの「ダルマストーブ」のみ?

スーパーに並んでいるのは、大きくても3-4年生といったところでしょうか。

ニシン漁獲高が昭和10年頃から激減しているのが分かります。

ニシンの獲れなくなった理由が書かれています。一言「獲り過ぎ」が原因のようです。

同じ建物内の親方家族の住んでいた部分です。プライバシーはほとんどないように感じました。

この館内で一番目を引いたものがこの椅子です。まるでコロスケのようです。

床の間は付書院の本格的なもの。床柱は槐でしょうか。

明治天皇の写真が飾られています。

親方の蒐集した書画のいくつかが展示されていました。

天井板は粗末なものです。ちなみに小樽青山別邸の秋田杉の天井板は、板幅が1メートルもあって圧倒的でした。あんな凄い天井板は京都でも見たことがありません。(撮影禁止なので掲載できず)

一応パーテーションのようなものはありますが、この空間で親方家族と漁師衆が一緒に生活していたのですね。

豪快ではありますが、質素な建物に明治の息吹を感じます。入場料が300円ほどで蔵の内部や加工場まで見られ、とてもお得な感じです。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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