Dunkirk, Gravelines & Bourbourg(フランス)

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ダンケルクはフランス北岸、ベルギーとの国境間近の港町です。第二次世界大戦を描いた映画のダンケルクでも有名です。ダンケルクは10世紀後半まではフランダース伯領の村でしたが、960年に市壁の建設、12世紀後半の干拓、サントメールまでの運河開設、交易権の付与により栄えました。さらに、14世紀の百年戦争時には、イギリスとの交易を禁止したフランスとは別にイギリスと和解、交易で繁栄しました。政治的には、1520年にフランドル伯を神聖ローマ皇帝カール5世が継承したため神聖ローマ帝国領になったものの、1658年にイングランド領となり、1662年にフランスに売却されました。

グラヴリーヌもフランス北岸、ドーバー海峡に面した町です。フランダース地方西部の重要な交易拠点であったサントメールが堆砂により北海との往来が難しくなったことから運河が掘られ、その運河の入り口となったのがグラヴリーヌです。当時は鰊漁の拠点及びワイン・塩・果物等の交易拠点として栄えます。しかし13世紀頃から始まるアー川の堆砂及び、フランス王、フランダース伯、そして後にはイギリスの係争の地となり、衰退していきます。

ブルブールは3世紀後半に始まる海進とその後の土砂の堆積で形づくられた土地に造られた町で、7世紀から12世紀にかけて周囲を干拓することで発展しました。また、戦略上の拠点としてノルマン人や百年戦争への拠点として重要視されます。

掲載の地図はGeorg Braun及びFranz Hogenberg作の「Civitates Orbis Terrarum」(複数年に亘り、数か国語で刊行)の内、Vol. II(1575年初刊)のドイツ語版になります。

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