アサヒグラフ 1933(昭和8)年 1月11日 第二十巻 第二號

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『輝く音律 大家が折り紙つけた小さい音楽家』記事中

"天分に恵まれた 諏訪根自子さん"と紹介されている。

『……天才といふ言葉がありますが、彼の女の場合、この言葉は少しも誇張された言葉ではありません。私は彼女の演奏を聴く度にさう思ひます。彼女は音に對する素晴らしい感受性を持つておりますが、それに豐な理性と惠まれた器用さの三拍子が揃つてゐます。彼女がヴァイオリンを持つて立つたポーズには立派な樂人としての風貌があります。演奏の場合彼女の音程は正しく速度やリズムも大變明快です。只子供だけに多少熱に欠けてゐると云へば云へますが、ともあれもう彼女はもう第一流と云へるでせう……』

13歳の根自子さん、モギレフスキー教授と。同年この数ヶ月後、最初のレコードをリリースする事となる。

#諏訪根自子

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