異色のロボットアニメ、巨神ゴーグの思い出
初版 2018/07/19 13:03
改訂 2022/12/20 13:53
こんにちは、あゆとみです。
https://muuseo.com/cosmic-ace/items/667
ミューゼオの皆さんのコレクションにこれまた懐かしいアイテムを見つけた。
幼少期に夢中になってみていた、巨神ゴーグのサントラだ。
私の大好きな安彦良和氏がキャラクターデザイン、原作、監督ということで、始まる前から楽しみで仕方なかった巨神ゴーグ。蓋を開けて見るといい意味で想像を裏切る異色の作品だった。
ガンダムにはまって以来、サンライズの製作するロボットアニメを毎週欠かさずにみていた私なのだが、幼い私の目にも、巨神ゴーグはそれまでのサンライズ印のロボットアニメと何かが違うというのはわかった。
例えば、以前のロボットアニメの定番といえば、架空の星や、えらく先の未来の地球が舞台だったのに対して、ゴーグは現代が舞台で、ストーリー展開もより現実的なのだ。
第一話は現代ニューヨークが舞台で、空飛ぶ車が出てくる代わりに、車はがっつり普通にタイヤで道路を走っているし、主人公の田神悠宇もヒロインのドリスも、特殊能力などない、ごく普通の子供たちだった(設定では13歳)。
https://muuseo.com/gotoondesu/items/48
当時の私には馴染みのないより現実的な舞台で繰り広げられる、巨神ゴーグはどこか大人びた印象を与えた。たとえば夜9時以降に「子供は寝なさい」と言われてしぶしぶ寝に行く前に、一瞬だけ見ることが許される金曜ロードショーとかの大人の映画の世界を覗き見しているような感覚に似ていた。
加えて、それまでのロボットアニメは、1話が終わる直前にクリフハンガーがあり、「え、次はどうなるの??」と翌週まで心をかき乱されることが多かったものだが、ゴーグはそれも大してなかったためか、第二話くらいまでは、いつも見る「ロボットアニメ枠」の一作品として、惰性で見続ける感じだった。
それが悠宇達が遺跡を探索するためにオウストラル島に行き、悠宇がゴーグと出会うあたりからは、一変、前のめりになってどっぷりとハマることになるわけなのであるが。
https://www.youtube.com/watch?v=Q5a6WlBFKpM
ゴーグもまた、異色の主人公ロボだった。
ガンダムのビームサーベルみたいな武器を持っているわけではなく、戦闘は全て素手で戦うゴーグ。ただこの素の力がめっぽう強くて無敵で、武器は必要ない程なのだ。
悠宇がピンチになるたびにゴーグが助けにくる。助けてくれる。
これほど強く頼もしいボディガードがいるだろうか。
ゴーグに守られる悠宇が本当に羨ましかった。
私もゴーグが欲しい。ゴーグに守って欲しい!
などと幼心に思っていたものだ。
https://www.youtube.com/watch?v=ZNQF2ex9-fI
ゴーグはロボットなのだが、人に操縦されるロボットではない。自主的に意思を持って動く人間的なロボットだ。ゴーグは大きく、強く、優しい。人間に例えるなら寡黙で心優しい巨人、それがゴーグの印象だった。
普段は静かで優しいゴーグが悠宇のピンチのために戦うとき、凄まじいパワーがほとばしり、その圧倒的な強さはなんとも頼もしくて感動で目頭が熱くなったものだ。
ゴーグは期待を裏切らない。必ず悠宇を守り通す。
思えばゴーグに私が感じた畏敬の念は、大自然に対するような、人智を超えた力に接したときの感情と良く似ていた。
ゴーグが怒ると「天地が怒る」ようなインパクトがあった。風の谷のナウシカで樹海を汚されたことに激怒した王蟲が群走した時の感じ、大自然が荒れる時の想像を絶する破壊力に感じたものに似ている。
(ここからネタバレになるのだが)
ゴーグは3万年前に地球に来た異星人のガーディアンロボットであり、ゴーグが悠宇を守る理由は、悠宇がゴーグの所有者だったゼノンの親友マシウスの子孫だからだったからだという。そんな悠宇の出生の秘密を知って私は真剣に思ったものだ。
私にも異星人の血が流れていればよかったのに、と(笑)
そのくらい、ゴーグが好きだった。
https://www.youtube.com/watch?v=FQDcTgAld2A
エンディングは、悠宇とゴーグのお別れで、悠宇にとっては元の世界に戻り、ゴーグはオウストラル島とともに残る。それがお互いにとってベストなのだとはわかっていた。いくらオウストラル島に長期滞在しているといっても、悠宇やドリスはやはり生まれ育った家に帰りたいだろう。ゴーグを一緒に連れて行くといっても、人々の好奇の視線に晒されて、メディアに追われまくって、政府機関の実験施設に取り上げられてモルモットにされてしまうだけだろう。だから別れるべきなのだと頭ではわかっていても、悠宇とゴーグが離れ離れになるのを見るのは、ひどく残念で悲しかった。エンディングの歌がひとしお身にしみたものだ。
https://www.youtube.com/watch?v=k8xefJAlzGk
悠宇は「いつか会えるよ、ゴーグ」と言っていた。
ただ、現実にはそれはかなり難しそうだ。
オウストラル島に発射された核弾頭を防ぐシールドに力を使ったマノンは、島に残る最後の力で島を沈めたのだから、ゴーグは深い海の中だ。
もちろん、マノンやゴーグは死にはしないだろう。
それまで3万年も眠り続ける技術があったわけだし、ゴーグに至ってはダイアモンドドリルでも穴があかないほどの強固なロボットなのだから。
悠宇が安全に帰郷したことに安堵して、マノンとともに安全な場所でただ活動を停止しているだけだろうとは思う。
二者の再会のシナリオを私なりに想像してみた。
悠宇はいずれ必ずゴーグに会いに行くだろう。
その場合は、もともと科学者の息子だし、素質もあるから、科学者として大成して、海底を探索しに行くかもしれない。
海中探査機を積んだ船でオウストラル島があったエリアに船で言って、海底に潜る。
そこで、ゴーグを呼ぶというのはどうだろうか。
ただ、本当に必要な時しかゴーグは出てこないだろうから、悠宇が命の危機を迎えた時に登場する気もする。
https://www.youtube.com/watch?v=dfBm-OBlYRE
気がかりなのは、海に沈んだオウストラル島を世界がそのまま放っておくのか?という点だ。史上最恐の兵器、核弾頭を持っても沈められなかったミステリアスな島のことをこのままにしておくとは思えない。いくら自発的に「沈んだ」と言っても、野心のある学者や権力者が必ず出て来て、再び遺跡を掘り起こせ、という指令が出て来そうだ。
そうなってくると、島やゴーグ達を守ろうとする悠宇達と政府側のバトルはこれからも続くのは必至だ。
つまりはこの話は、続編ができてもおかしくない内容なのだ。
もしゴーグが大ヒットしていたら、続編はできていたかもしれない。
ファンタジーとはいえ、展開は無理のない流れに沿ったものだったから、ハリウッドでリメイクされても面白いと思う。そもそも、出てくるキャラクターの大半はアメリカ人なのだから。
https://muuseo.com/gotoondesu/items/50
例えば、アメリカ人のドリスやレイディ・リンクスは実写でいくらでも魅力的に再現してくれる女優さんがいそうだ。
https://muuseo.com/gotoondesu/items/51
巨神ゴーグは、子供にも大人にも楽しめるコンテンツだと思う。実際、私と兄は激はまりしたわけだし、いつもは私たちのみているアニメを夕飯の支度をしながらたまに見て「こんなのあり得ないわよ。」とか「漫画ねえ」とか、耳障りなツッコミを入れてくることが多々あった母も、ゴーグは面白いと言って見ていた。
どうやら現在、アマゾンプライムで見ることができるので、興味を持った方はぜひひて欲しい。
私もまたゴーグに逢いたい。
https://muuseo.com/cosmic-ace/items/668
#巨神ゴーグ
#安彦良和
#Giant_Gorg
#サンライズ
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ace
2018/07/20あゆとみさん、熱いレビューありがとうございます😊
再び眠りについたゴーグは、マシウスの遺伝子を受け継ぐ悠宇の子孫が本当に助けが必要になった時、優しさと強さをもってその前に現れるのでしょう😌✨
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ミューゼオスタッフ
2018/07/23なるほど!ゴーグが悠宇の子孫を守るために現れるという設定も想像するとわくわくしますね😆Aceさん、懐かしさに浸れるコレクションをどうもありがとうございます!
4人がいいね!と言っています。
Shining KazutaZ
2018/11/21芸術です。文学です。そして応援歌です。
3人がいいね!と言っています。