レトロ図版の泥沼
初版 2018/04/19 00:26
改訂 2018/04/20 10:13
明治初期から昭和初期にかけての、自然科学系を中心とする図版を意識して蒐めるようになったのは、たしか2012年辺りだったかと思う。それ以前からそうした古本を買ってはいたが、目的は別のところにあった。
しかし特定分野の図版を数多く見ていくうちに、これは横断的に眺めていったら何か埋もれている面白い事実が浮かび上がってくるのでは、と気付いた。それが「レトロ図版の泥沼」に片足を突っ込むきっかけになったのは間違いのないところ。
蒐めている方がほとんどない分野は、先達がほとんどおられないだけにコレクションも試行錯誤の連続とならざるを得ない。一見似たり寄ったりに見えるものでも、入手の場数を踏み、中身を比較しながら読み込んでいくうちに、だんだんと「押さえておくべき資料」や「内容×稀少性から割り出される相場」などが判ってくるのだが、それ以前に安直に手放して後で臍を噛んだり、みすみす見逃して思い出すと床じゅうを転げ回りたくなったりした残念な想い出も多々ある。その一方で、思わぬ掘り出し物が易々と転げ込んできたり、長いこと「あったらいいなぁ」と希っていたものが思いもかけず眼の前に現われたり、というような、思い返しても気分がいささかハイになるようなたのしい記憶も幾つもある。
しかしそうした情緒的なことはさておいて、財布は軽くなる一方、部屋は狭くなる一方、というのが現実。「泥沼」に全身ずぶずぶと沈んで、あとは天を仰いだ顔を残すのみ、さていつまで息が続くものやら。
- 蒐めはじめて間もないころに入手した明治期の天文書。同じ本でもヴァージョンによって図版や書いてある内容とか表現とかがかなり違うことに気づかせてくれた一冊(お蔭でこの本は版違いをたしか四冊だか五冊だか持っている)。
#思い出
#入手
#収納
図版研レトロ図版博物館
「科学と技術×デザイン×日本語」をメインテーマとして蒐集された明治・大正・昭和初期の図版資料や、「当時の日本におけるモノの名前」に関する文献資料などをシェアリングするための物好きな物好きによる物好きのための私設図書館。
東京・阿佐ヶ谷「ねこの隠れ処〈かくれが〉」 のCOVID-19パンデミックによる長期休業を期に開設を企画、その二階一面に山と平積みしてあった架蔵書を一旦全部貸し倉庫に預け、建物補強+書架設置工事に踏み切ったものの、いざ途中まで配架してみたら既に大幅キャパオーバーであることが判明、段ボール箱が積み上がる「日本一片付いていない図書館」として2021年4月見切り発車開館。
https://note.com/pict_inst_jp/
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realminiature
2018/04/19いろいろなモノを見られるのを楽しみにしております!!
図版研レトロ図版博物館
2018/04/19早々にご覧くださりありがとうございます☆
ご期待に沿える内容になるとよいのですが。
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