ファコプスはラナで

初版 2024/01/05 18:42

改訂 2024/01/05 22:42

長年蒐集してきて、いまだにファコプスをもっていないというのはどうなんでしょう。
やっぱりデボン紀を代表する三葉虫となると、ファコプス以外考えられないのですよ。
だから私としてもぜひひとつは欲しいんですが、じつのところ、ファコプスは種類が多すぎる。
しかも世界各地から出るので、ひとつ欲しいといっても、あれこれ迷うわけです。
いっそめぼしいやつ全部買えば(買えれば)いいんですけどね。
まあ、そんなぜいたくが許されるはずもなく、せめてひとつくらいは、と思うのです。

私の模式種にこだわる性癖からいうと、アイフェル産が妥当なんですが、これまで休止期間も含めると10年近く市場を見てきて、満足のいくようなアイフェル産の標本をひとつも見出せなかった、というのがある事情を物語っております。
つまり、この地のものは研究史的に貴重なものではあっても、見て楽しむオブジェとしてはどうしても不満が残るんですね。
そして、見て楽しめる、つまり視覚的に私を満足させてくれるのは、全ファコプスを見渡しても、北米産のファコプス・ラナしかない、という結論に達したわけです。

ところで、ファコプス・ラナ(=エルドリジオプス)にはざっと4種類あります。
おもに目のレンズの数で区別されていて、少ない方から norwoodensis、rana、crassituberculata、
milleri と名前がついておりますが、私はそのうちでも rana が好みなのです。
なぜかといえば、rana には目の上(瞼翼とか呼ばれる部分)に小さいツブツブがついているのと、いわゆる額環のてっぺんにも、小さいツブツブが並んでいるのが、なんともいえず好ましいのです。

なんともちっぽけなこだわりで、自分でも情けなくなりますが、性癖、いっぱんに癖とはそうしたものでしょう。

ところでこの見地から市場を見渡すとどうか。

意外なことに、rana はほとんど見かけず、目を惹くのは milleri か crassituberculata ばかりなのです。
そしてたまに目にする rana はその状態がどうもよろしくない。
なんでわが愛するラナたんばかりこういう憂き目に合うのか。

というわけで、ここでもまたちょっとした障害に行き当っておりますが、まあ、時が解決してくれる、あるいはいつか解決される時がくると思って待つことにしましょう。

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ktr

鉱物と化石の標本を集めています

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    trilobite.person (orm)

    2024/01/05 - 編集済み

    ちょうど先日、手持ちの大きめのrana milleriを放出したところでした。放出してから若干後悔したこともあり、いずれまた、E.ranaの4つのどれか(私はここにはこだわりはないので、どれでもいいのですが)を入手したいなと思っています。
    仰るように特にmilleriは今それなりにありますが、rana ranaは何故か数が少ないですね。norwoodensisは言うに及ばずですが。

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      ktr

      2024/01/05

      出してしまってから、たまに惜しい気がするものもありますね。
      しかしまあ、仕方ないので、新規に探すしかありませんが、前のよりもかなり高くつくのは諦めなければなりません。
      私はファコプスはもっていない、と書きましたが、ブンデンバッハの Chotecops を忘れていました。
      レプリカなのでカウントしていませんが、ときどき「これはほんとにレプリカなのか?」と訝しく思うほど、よくできていて感心します。

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