二代目コワレフスキイ

初版 2023/01/21 10:15

改訂 2023/01/22 14:29

初代を手に入れたのはもう10年近く前になる。
そのときの標本はもう手許にないが、なんだか妙に薄っぺらい個体だったような記憶がある。

さて今回の二代目。

サイズは4.7㎝で、初代と比べても一回り小さいように思う。
じつはこれでも私には大きいくらいなので、3㎝くらいのがあったらそっちのほうを選んでいただろう。

かつてディスプレイ派だったころは、標本は大きければ大きいほどいいと思っていた。
それが収納派に移行してからは、むしろ小さいほうが好ましく思われるようになった。

小さいものの利点。
形が崩れていないこと、価格が安いこと、置場に困らないこと、管理しやすいこと、など。

その反面、もちろん欠点もある。

それは何かというと、小さいのは亜成体の場合が多いので、種の特色がじゅうぶんに出ていないことがある。
今回のものでいえば、尾板中軸上方の畝溝が明瞭でない。
また体のサイズに比して目が大きい。

まあそんなところだが、それは他の標本の画像などを参考にして脳内で修正すればいいことだ。

さて、コワレフスキイといえばその特徴的な眼軸だが、もう見ているだけで「破損」の二文字が脳裏をよぎる。

初代の目を折ったときのことはいまでもよくおぼえている。
標本を並べているとき、不用意に他の標本をぶつけてしまったのだが、その感触は「ポキッ」でもなければ「ボキッ」でもなく、カタカナで書けば「ホキ」という感じだった。
これといった手ごたえもなく、はっと思ったときは目が落ちていた、という感じ。
あのいやな感じを思い出させてくれるのだ、コワレフスキイの目は。

とにかく不安でならないので、急いで標本箱を作ることにした。
また本体が母岩の端に寄っているので、箱に当って目が折れないように、母岩の下にミネラルタックで台紙をつけて位置を安定させた。

これだけやって、ようやく「破損」の二文字の呪縛を脱することができたのである。

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ktr

鉱物と化石の標本を集めています

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    Trilobites

    2023/01/22 - 編集済み

    三葉虫収集家は、大きいほど良いと思っている方も多い気はしてますが、大きいと今度は老化からか種の特徴が薄れてしまってきたりしますね。理想は、幼少期を含め幾つかの大きさを揃える事なんでしょうが、数種類程度できれば満足です。ロシアのアサフスの場合、小さい個体だと丸まった標本が得られるので、その様な形体の標本は、小さくないと得られませんし例外です。保管場所は数が増えてくると、収集における大事な要素なので、母岩を含めてですが、大きさより保存状態だと収納派の私も同感です。逆に展示派は、大きいのも大きな要素ですから、重要になってくると思います。同じ三葉虫コレクターでも方向性が異なって来て面白いですね。

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      ktr

      2023/01/22

      お持ちのコワレフスキイを見ましたが、ずいぶんりっぱで、じゅうぶん展示できますね。
      小さい標本は、同種の大きいのと並べてみれば見劣りしますが、単独ではほとんど気にならないので、私としては形さえよければOKです。

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