三葉虫の謎(1)

初版 2023/01/15 21:06

改訂 2023/01/22 14:16

前からふしぎに思っていたのは、なぜカリメネの目が残らないか、ということ。

ほかの三葉虫は、たいていのものが目を備えている。
少なくとも目らしい器官の痕跡が残っている。

ところがカリメネだけは、その目がすっぽりと脱け落ちているのだ。
どこの産地のものでも例外なくそう。
他の部分の保存がいいだけに、これはどうにも腑に落ちない。

カリメネの目はもしかしたら硬組織ではなく、キチン質主体の軟組織だったのだろうか。

うちにあるカリメネの仲間の Colpocoryphe には目の一部が残っていて、それを見るかぎりでは、ファコプス類似の集合複眼のように思われるのだが……

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ktr

鉱物と化石の標本を集めています

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    Trilobites

    2023/01/22 - 編集済み

    複眼が残らないのは、ktrさんの推定通りだと私も思います。カリメネでは最も保存が良いオハイオ産でも大きさのあるインディアナ産Spathacalymeneやケベック産Diacalymeneでも同様に痕跡のみですね。同様な事がリカス目にも言えますね。化石として残存する条件は、外骨格と軟組織と異なるので、軟組織が残っている標本では、保存が良い産地でも外骨格が同時に保存されていないケースが殆どです。比較的多産するカリメネ類は、複眼が残存して外骨格が残らない標本は商品価値が無いに等しいことも起因かと思われます。

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      ktr

      2023/01/22

      たしかに、リカスもそうですね。
      化石化の条件というのも、考えてみれば興味深いです。
      一度だけ、目のあるカリメネの画像を見たことがあるんですが、どんなのだったか、忘れてしまいました。

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