ストロマトライトについて
初版 2024/03/10 20:52
改訂 2024/03/17 19:19
いつもコーヒーをいれるたびにストロマトライトのことが頭をよぎります。
毎日飲んでいるので、毎日ストロマトライトに思いを馳せているといってもいいでしょう。
現代日本で私くらいストロマトライトのことを考えている人間がほかにいるでしょうか。
ストロマトライトというのは、太古のシアノバクテリアが作った層状の形成物の化石です。
いろんなタイプがありますが、いちばん一般的なのは、スライスして断面を磨き上げたもの。
これだとストロマトライトの成長のあとがよく観察できるのです。
私がコーヒーから連想するストロマトライトは、それとはちょっと違って、モロッコで産する丸いお椀のような形をしたもので、同心円状の模様がついていることもあります。
コーヒーの滓がフィルターに静かに沈んでいくありさまが、そのストロマトライトを思わせるのです。
ところで、先日ストロマトライトの手ごろな標本はないかと探していたところ、私にとっては衝撃の事実に出くわしました。
というのは、モロッコで産するストロマトライトはじつはストロマトライトではないらしいのです。
あのお椀のようなものをスライスしても、ストロマトライト特有の層状の構造がまったく見られないそうです。
モロッコでノジュール(団塊)あるいはコンクリーション(結核)で産するあの物体は、なにかほかの生物由来の化石の可能性が高いとのこと。
私が日々思いを馳せていたのは、ストロマトライトならぬ贋ストロマトライトなのでした。
さすがはモロッコ、やらかしてくれるなあ、というのが正直なところです。
いやいや、あれは贋じゃなくて真正のストロマトライトだよ、という情報をお持ちの方はぜひお知らせください。
Trilobites
2024/03/17 - 編集済みモロッコ産、球状ですが層状になってはいると思っていましたが、別の生命体の可能性があるのですか。層の厚さが他のストロマトライトより厚いので、早く成長するタイプなのかと思っていました。
ストロマトライトを知ったのは、子供の頃見たNHK特集「地球大紀行」で、オーストラリア シャーク湾に今でも細々と生存していて、この生物が大気の組成を変える大仕事に関わっていたなんてと驚いた記憶があります。
ktr
2024/03/17シャーク湾のそれは、化石に興味をもつようになってから知りました。
これもまた生きた化石のひとつでしょうね。
モロッコで産するものは、時代や産地が書かれていないので、なんか怪しいなとは思っていました。
ボリビア産なども、先カンブリア紀のものとよく書かれていますが、じつは白亜紀あたりのものだそうですね。
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